人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

イ・ジェジョン統一部長官が18日、首脳会談の南側代表団によるアリラン公演の観覧に関して、”アリラン公演に関する観覧の要請が来れば、我々としては検討する予定”と語り、話題になっている。

首脳会談の日程中に、アリラン公演の観覧が含まれたら、盧武鉉大統領が公演を観覧する可能性も排除することができない。大韓民国の最高統治者が北朝鮮の人権蹂躙の象徴と思われるアリラン公演を観覧することは、北朝鮮政権の反人権性をそのまま認めることに相違ない。

体制の宣伝と外貨稼ぎのために、住民を強制動員するアリラン公演は、最も基本的人権である、個人の自由を侵害している。特に、学習権も与えられないまま、アリラン公演の準備のために駆り出される北朝鮮の児童に対する労働力の搾取は、国際人権団体も批判している。

盧武鉉大統領を含めた韓国側代表団が、北朝鮮のアリラン公演を見てはならない5つの理由を、2回に分けて提示する。

1. アリラン公演は国連児童権利条約の違反

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮は国連児童権利条約の加盟国だ。国連児童権利条約は、全ての児童は暴力と虐待から保護を受けなければならないと規定している。また、全ての児童は経済的に搾取されてはならず、健康と発達を脅かし、教育に支障がある有害な労働から保護を受けることを明示している。韓国でも’児童憲章’で、健康な身体、正しい教育、不当労働の拒否などの権利が規定されている。

北朝鮮のアリラン公演は、国連児童権利条約に明らかに違反している。

アリラン公演は練習期間だけで半年を超える。精巧な動作の習得には1年かかる。公演を控えて6ヶ月ほどは、午前中に授業を行い、午後に練習をするが、行事の半月前になれば、1日中厳しい訓練をする。この時、すべての授業が行われず、朝6時から夜12時まで、1日18時間、猛練習をする。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

アリランに出演する子供達は、休むことなく動いて、まったく同じ動作を繰り返し、この過程で骨折など、けがをすることも多い。だが、簡単な応急処置をするだけで、訓練から抜けてはならない。特に、器械体操をする子供達は、何層も人間の塔を作らなければならない時もあるため、脱骨や骨折をする子供も多い。

公演には幼稚園児も出るが、歌に合わせて数千人が一つの動作で動き、一部はまるでサーカスのような繩跳び妙技を見せてくれる。また、幼稚園児全員が体操選手のように、逆立ちをする。そして、大きな歓声を上げながら、団結して“将軍様と共に行けば、千里戦勝の道”と歌う。このような動作を完成するために、幼い子供達は数千回、数万回、一つの動作を繰り返し練習しなければならない。

幼稚園児も軍隊式に行進する。これはツマ先を真っ直ぐに伸ばして、両足を地上60cmで交差させる歩き方だ。この‘交差蹴り’は、一歩で地面を勢いよく蹴りながら、その反動で他の足を持ち上げる歩き方だが、全身の力を込めて勢いよくコンクリートを一日中蹴っていると、内臓がよじれるようだと経験者たちは言う。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

2. 金正日独裁政権の維持のための、体制結束の道具に過ぎない

北朝鮮はこの間、内部の結束と偶像化のために、マスゲームなどを実施してきた。数万人が一糸不乱に動く公演を見て、北朝鮮体制に対する優越感と金日成、金正日に対する忠誠心が高まるというのが、脱北者たちの説明だ。これは、北朝鮮体制を安定化させて、住民を取り締まる有用な統治手段といえる。

北朝鮮は金日成と金正日の誕生日、党の創立記念日、共和国の創立日などを4大祝日と称して、数万人が出演するマスゲームを1980年代から実施してきた。それ以外にも、人民軍の創設記念日、朝鮮戦争戦勝記念日には、大規模な軍事バレードも実施している。

アリラン公演は住民たちに、国家に対する自負心を植えようとする目的から始まった。列車やバスなどで地方の住民を平壌に連れて行って公演を見せ、平壌観光をさせることで、国家の思いやりに感謝させ、住民の忠誠心を鼓舞した。

特に、水害の被害がひどかった今年も公演を続けて、延べ人数10万人が動員される大マスゲームが公演された。北朝鮮政府は、体制には全く問題がないということを、対内外的に誇示しようとしているかのようだ。

核実験以後は、北朝鮮の官営メディアが、“アリラン公演は先軍革命の領導によって、金日成主席の富強祖国建設国zに更に花を咲かせるための闘いに奮い立つ、我々の軍隊と人民を力強く鼓舞し、主導するもの”と明らかにした。アリラン公演は北朝鮮の住民や外国の観覧客に強盛大国、先軍政治の優越性を宣伝する道具として活用されている。

3. 金正日独裁政権の非常識な外貨稼ぎ手段

北朝鮮はスウェーデンやアメリカ等の旅行社に委託して、アリラン公演の観光客を誘致しており、アリラン公演の広報や招請事業などを担当する部署も新設した。パク・ボンジュ内閣総理を委員長にしたアリラン国家準備委員会は、海外の同胞と南朝鮮の同胞、外国人の招請など、対外招請事業を担当する部門を構成した。

2005年に北朝鮮は、韓国の対北支援団体などを通じて、アリラン公演の観覧客の募集を要請した。一部の団体は北朝鮮から、‘観覧客を、飛行機1台を満席にして送ってほしい’と要請されたという。

2005年には、南側だけでも7000人余りがアリラン公演を観覧した。当時の訪朝費用は、1泊2日の日程で、1人当り平均100万ウォンほどで、このうち、南北直航便の航空料などを除いて、見学料、宿泊費、交通費などの55万〜60万ウォンが北側に送られたという。

したがって、北側が南側のアリラン観覧で稼いだ資金は、約40億ウォンに至る。これは全てドルで北側に支給された。この他、かなり多くの海外の観光客が、アリラン公演を観覧したと伝えられ、北朝鮮が稼いだ資金は数百億ウォンにのぼると推定される。更に、海外からの観光客がアリラン公演を観覧するために平壌で使ったお金も含めれば、これ以上の額になる。

2005年のアリラン公演当時、北朝鮮政府は公演場の周辺のあちこちに、外国人を対象にした特別の売り台(売店)を設置した。アリラン公演の様子を盛り込んだDVDやVCDを販売する売り台など、ホテルや食堂、商品の販売所などに特別の売り台が登場した。売り台の販売収益金は、北朝鮮政府に入って行く。(続く)