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1つ目は、不確実な根拠に基づき、不必要な反中感情を刺激してはならないということだ。

実は、中国が北朝鮮を合併するはずだという主張の根拠はとても稀薄だ。2つの根拠があるが、1つは中国が過去にチベットを侵略した前例があるため、北朝鮮も侵略する可能性があるというものだ。しかし、この主張は初期の社会主義中国と、改革開放以後の中国を同一視するという間違いを犯している。現在の中国は1950年代と異なり、国際的依存度がとても高い。したがって、国際社会の支持を受けることができない行動は、中国の孤立をもたらすはずだから、中国共産党も軽はずみに選択することができない。

また、中国の東北工程事業を北朝鮮の合併の嵐宸ニして見る意見もある。東北工程の過去の歴史の歪曲問題は、必ず指摘しなければならない。だが、その政治的意図に対しては多様な解釈が共存する。中国の学者たちも、東北工程の裏面に、過去の満洲に対するいさかいを前もって遮断しようとする意図はあると認めている。しかし、客観的で明白な根拠もなく、これを北朝鮮の合併論理にまで政治的に飛躍させることは、不必要な反中感情を刺激するだけだ。

北朝鮮問題は民族主義ではなく国際協力で接近を

2つ目の原則は、民族主義的に中国の北朝鮮への介入問題を眺めてはいけないということだ。すなわち、中国が介入してもアメリカが介入しても、北朝鮮の問題を評価する基準は、北朝鮮国内で民主主義と市場経済を活性化するのか、しないのかという基準で判断しなければならない。

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太陽論者たちは、自らの一方的な支援政策を擁護するために、普遍的な価値を擁護するよりは、韓国国民の民族主義的感情を巧みに利用している。北朝鮮の対中経済依存度について語り、一方的支援政策の正当性を強調しているのだ。

だが、逆説的ではあるが、中国の対北経済協力と韓国の対北経済協力を比べて見ると、中国の対北経済協力が、はるかに北朝鮮の市場経済を活性化するのに寄与していることが分かる(デイリーNK企画&イシュー参照)。これに反して、韓国の対北経済協力は開城工団、金剛山など、北朝鮮内部の市場経済を活性化するのに大きな影響を与えることができないものが多い。

北朝鮮問題の窮極的な解決策が、北朝鮮国内の民主主義と市場経済を促進するものとすると、韓国の対北経済協力方式よりも、中国の経済協力方式がはるかに望ましい形で行われていると言える。むしろ、韓国の経済協力は北朝鮮に、市場経済改革をしなくてもドルを稼ぐことができるという幻想のみを与えていると言わなければならないだろう。

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したがって、北朝鮮問題を解決する際に、民族主義的路線よりは、国際協力路線を徹底的に貫かなければならない。北朝鮮の民主主義と経済再建も、問題を韓国が1人で全て引き受けると考えることは、非常に愚かなことだ。アメリカや中国、ロシア、日本の助けを必ず受けなければならない。そのためには、民族主義的に北朝鮮問題に接近するよりは、国際協助路線に即して接近しなければならない。

金正日政権の交替が私たちの当面の目標ならば、敵は最小限にして、友好国は増やさなければならない。中国と金正日を離すことができたらそうなるように、最大限努力を傾けなければならないだろう。もし、韓国が反中路線を取るようになれば、それを最も歓迎する人は金正日だろう。自分は中国という心強い後援者をつけることができるからだ。

中国の立場としても、必ずしも親金正日路線を開拓しなければならないという理由がない。中国は北朝鮮の核を望んでおらず、積極的な改革開放に乗り出さない金正日政権に不満が多い。中国が心配していることは、代案なしに金正日政権が崩壊する場合、北朝鮮で大量に難民が発生して、中国社会の安全を害しないかという点だ。

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もし、北朝鮮国内に代替勢力が存在して、金正日が失脚しても充分に北朝鮮の秩序を維持して、難民問題も解決することができたら、中国がその代替政権に反対する理由はない。したがって、韓国も北朝鮮のポスト金正日体制を国zするのに、中国と協力することができないという理由はないのだ。

中国の政策決定過程もますます多元化

3つ目に、中国内部の意見も多元化しているため、韓国はこれをよく把握して活用しなければならない。

かつて、中国は党中心体制で、すべての政策決定は共産党の上部から下にダイレクトに下った。しかし、中国も現代化しながら、意思決定過程が多元化される傾向が現われている。

ある中国のシンクタンクの学者によれば、現代の中国も過去のように、共産党の指導性が貫徹されてはいるが、共産党の政策が合意される過程は多元化しているという。過去に比べて、学者と専門家たちの声が高まり、内部のシンポジウムでは互いに違う意見が激しく衝突したりするというのだ。最近では、中国国内でも伝統的な中朝血盟関係からは想像もできない発言が公開されている。

時殷弘中国人民大学教授は、“朝鮮戦争は朝鮮の指導部が、スターリンの支持で起こした戦争だ”、“中国は戦争への参戦で経済が大きく悪化し、台湾を統一することができる機会を失った”、“中国は朝鮮戦争への参戦で、非常に厄介な隣国を得た”と語っている。

こうした主張と共に時殷弘教授は、“核問題で朝鮮半島で戦争が起こる場合、中国が介入してはいけない”と主張した。(「中央日報」, 2003年7月29日)

スオンジル中国社会科学院、国際戦略研究室主任は、1961年に締結した“中朝友好協力及び、相互援助条約は、北朝鮮に判断を誤らせる根拠を提供し、…….中国政府は北朝鮮に条約の改訂を公式に提議する時になった”と主張した。(スオンジル “維頀東北亞安全的当務之”,http://www..iwep.org.cn/wep/200309/ )

チョンジン社会科学院の王忠文は’金正日の世襲制’と、’政治迫害’の問題点を公開して取り上げている。(王忠文, “以新視角審視朝鮮問題与東北亜形勢” 『戦略与管理』2004年 4期. 現在この雑誌は廃刊 )

このように、かつては想像もできなかった反北朝鮮的な主張が公開の場に出ているという事実は、韓国の対中外交にも示唆する点が大きい。

中国、朝鮮半島の運命から切り離せず

韓国もこれからは、中国の党-政中心の外交関係だけでなく、中国の学者、専門家集団との交流も強化するなど、外交チャンネルの多様化のために努力しなければならない。中国の対北政策は固定されたものではなく、可変的なもので、いつでも状況の変化によって新しく形成されることができると見なければならない。もうこれ以上、過去のような中朝血盟関係はないからだ。したがって、韓国も対中外交を多元化して、中国の対北政策が変わっても、そのリスクを最小化することができる緩衝装置を作らなければならない。

歴史的に中国は朝鮮半島の運命と切り離すことができない関係にある。中国が北朝鮮に対してどのような政策を取るかということが、再び、今後1世紀の朝鮮半島の秩序を牛耳るかぎになるかも知れない。したがって、中国の対北政策を正確に分析して、韓国の対中政策を練ることの重要性は、いくら強調してもしすぎることはないだろう。感性ではなく、理性を先に立たせて、中国をながめなければならない時である。