北朝鮮の食糧価格が高騰している。食糧の収穫期が終わる12月に底打ちを見せていた食糧価格が1300ウォン台まで急上昇し、北朝鮮住民の生活がさらに困窮していると北朝鮮の内部消息筋が13日伝えた。
咸鏡北道会寧の消息筋は「11月中旬に800〜900円(1キロ)だった米の価格が11月23日頃から1100ウォン台に急騰し、現在は1300ウォン台を維持している。食糧価格が急上昇したことから住民達は当惑している」と述べた。
消息筋によると、8〜9日には米の価格が会寧市場で1900ウォンまで急騰し本年度の食糧価格の最高値を記録した。
北朝鮮では12月に脱穀が終わり、米やトウモロコシなどの食糧価格は比較的安定する時期だ。しかし食糧価格は急騰し、越冬米の準備が非常事態になっていると消息筋は伝える。「収穫が終わったばかりで、こんな事が起こり住民たちは緊張している」と述べた。
食料価格の急上昇は、中国人民元の為替レートの上昇が主な理由として指摘されている。消息筋は「8日と9日に人民元の1円が、北朝鮮の420円まで上がって貨幣交換以前の価格(500円)に達した」と述べた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面これは北朝鮮の延坪島砲撃挑発(11.23)直後、南北間の交戦のニュースが徐々に全国的に広がり、外貨稼ぎ事業所と密貿易商、中国の華僑などが人民元の保有に走り「ウォン安」が発生したと消息筋は説明した。
政治的、軍事的な緊張状態が中朝貿易に影響を与え、北朝鮮内で流通する人民元の規模が相対的に縮小し、人民元を保有しようとする人々が急増し、為替相場の上昇と同時に食糧価格が急上昇したという分析だ。
消息筋は「住民たちは、南北交戦が起きて情勢が緊張し、こういう現象が起こったのだと異口同音に語っている。南朝鮮との交戦のニュースが伝えられ、戦争が起こるかもしれないという物騒なうわさが広がり、中国との貿易が中断されたようだ」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「10日からウォンの為替レートが330〜340ウォンに落ち、再び価格が安定するというううわさが流れている。ウォンの価値の下落でコメの価格が再び1300ウォンに下落した」と伝えた。
一時期は1900ウォン台まで急騰した食糧価格は1300ウォン台に下落したが、住民たちの食糧事情に対する不安感は相変わらずのようだ。
消息筋は「収穫が終わったが、生活が困難な人々は今のままではトウモロコシ粥か、麺粥を食べるしかないだろう。今年も大変だったが、来年はもっと大変そうで早くも頭を悩ませている」と現地の雰囲気を伝えた。