人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

インタビュー日時:12月初め
インタビュー対象者:40代女性、黄海北道居住

1.今年の収穫状況とそれにともなう現象

・今年の降水量は多かったが、コメ作物の収穫状況は去年よりも少し良い程である。中国からの肥料流入の影響のためで、町歩当5トン(昨年は3トン)の収穫量であった。
・すでに農民には1年分の配給(コメ30キロ,トウモロコシ50キロ/扶養家族がいる場合、追加的にコメ15キロ,トウモロコシ40キロ配給)が実施されたが、昨年(コメ50キロ,トウモロコシ80キロ)よりは少ない状況だ。 これに対して、農民らは「収穫はうまくいったが、私たちとは全く関係がないことだ。一年間政府に汲ゥれ、仕事をしてきたので今はもう何もする気がない」と不満を爆発させている。
幹部らは既にコメをこっそりと持ち出しており、農民らも一週間に二回程度で少しずつコメを持ち出している。
・電気は十分に供給されておらず、機械も古いものが多く頻繁に故障する。脱穀機は一日に10時間程稼動するが、度々コメが詰まり完全に脱穀できていない状態だ。
毎日、脱穀場の前には軍隊の車が待機しており、脱穀が完了すると同時に即軍隊に送られる。しかし、これも軍幹部が個人的に流用しており、一般軍人はとうもろこしだけが支給されている。

2.市場の動向

・最近では午後2時から始まり、制限時間なしで運営されている。市場管理費は一日に100ウォンだったのが、11月から250ウォンに値上げされた。この市場管理費問題により保安員と商売人らが争うところをよく見かける。保安員らは市場管理費を払わなければ商品を押収するといい、住民たちはやむを得ず市場管理費を払うしかない状況である。
・今年から韓国の商品と軍隊関連品の販売に対する取り締まりが徹底され、取り締まり員らが毎日売り場を回り抜き打ちで検査する場合もある。しかし、「韓国」と記された物品が押収されても、2〜3日後に罰金2〜3万ウォンを支払えば、再び受け取ることができる。
・保安員は「韓国」という文字だけをなくせば、再び販売可能だと話す。しかし、韓国商品を求める人が増加しており、いくら取り締まりを強化しても韓国の商品を売ろうとする商売人らも増加している。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

3.延坪島攻撃に対する反応

・11月17日、攻撃の一週間前の午後8〜10時に対空訓練があり、その翌日午前10〜11時には待避訓練があった。
・延坪島攻撃に対して北朝鮮当局は、韓国の軍事的挑発により物理的打撃を加えたと公表した。また、北朝鮮が攻撃を受けたという話は一切なかった。
・12月1日朝、赤緯隊訓練(服装を整えてリュックサックと木の銃)が非常召集される姿を見た。それを見た人々が、「今回の訓練はかなり大変そうだ」と話したという。
・準戦時状態宣言はまだ発令されておらず、住民たちの中には非常事態に備え準備し始める人もいる。軍の移動は感知されていない。住民たちは比較的落ち着いている。
・しかし、一部の人々は、「戦争が起きれば、犠牲者が多い反面、逆に生き返る人々もいるだろう」「今のまま生きていくよりはましだ」「このまま開放でもされれば良いのに」という雰囲気が広まっている。

4.組織生活に対して

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

・労働動員を希望しない人は現金1000ウォンを出せば、他の仕事ができるようになる。このお金は労働動員の人々の間食用に使われる。
・最近は女性同盟(朝鮮民主女性同盟)からの動員が多い。労働動員になれば商売ができなくなるため、企業所にお金(1ヶ月2万ウォン)を出して名前だけ登録しておき、女性同盟に参加しない人々が増加しているという。
・現在、このような女性らが市場の10%を占めているが、企業所幹部らがこれを黙認しているので特別な制裁はないという。
・これに伴い、これらの人々は1週間に一度行われる生活総活にも参加する義務がなく、学習会にも不参加が許可される。
・このように各種労働動員、支援金着服、生活総活と学習会のため、住民たちは「組織生活」が生活よりも大変だと不満をこぼす。

5.住民生活

・最近、工場建設事業のための住民たちの大量動員が続いている。
・昨年3月、食料工場が建設されたが建設した当初、住民たちのためにパン、菓子を生産して配分する目的で女性同盟、大学生らが動員され完工したが、建設され出来上がった生産物は市場を通じて販売されているという実態だ。このため住民たちの間では不満感が高まっている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

6.市場の酒文化

・今年春から市場にテントを張り、酒類の販売が急増している。ただ、これに対する特別な取り締まりはなく、一般的に市場管理費250ウォンを払えば商売ができる。
・食堂に行って酒を飲めば非常に高いので、市場で食べ物(貝、豚肉、モチ、天ぷら、キムチチヂミ、魚の天ぷら、麺、豆腐など)と合わせて酒を販売する所が増えている。
・市場では、酔っ払い、道端で横たわる人、「高く売った」などと文句を付け、髪をつかみ合い言い争う人があちこちにいる。また、女性は少数に過ぎないという。
・中には、軍隊や労働動員に行き、身体障害者になった人々も見られる。このような人々は市場を歩き回りながらガム(2個100ウォン)を押し売りしており、買わなければお客を買うまで追いかけるなど執拗な方法を使う。この人々は大酒を飲み酒癖も悪いため、市場では恐ろしい存在とされているという。
・幹部らは高い飲食店に行くので市場には来ない。平均一日に1000ウォン程度の収入だという。