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北朝鮮は9月9日の建国記念日(9.9節)を前にして、国境地域における取り締まりを強化した。そのせいで、逮捕される脱北者が続出した。

デイリーNKの内部情報筋によると、8月中旬、両江道(リャンガンド)普天(ポチョン)郡で国境を流れる豆満江を超えて脱北しようとしていた家族4人が国境警備隊に逮捕された。

逮捕されたのは20代の夫婦と赤ん坊、夫の弟だ。国境警備隊の隊員を買収して脱北を試みたが、別の隊員に発見されて逮捕された。4人は道の保衛部(秘密警察)に、脱北を幇助した国境警備隊員は軍の保衛小隊に身柄を引き渡され、取り調べを受けている。

この国境警備隊員は、カネ儲けのために家族の脱北幇助を請け負ったが、別の隊員に密告されたものと思われる。なお、当局は密告すれば朝鮮労働党への入党を約束するとして、密告を煽っている。

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、先月末に中国で逮捕され強制送還されてきた脱北者の家族3人が列車に乗せられ護送される様子を目撃した。

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乗客が声を掛けると、監視役の保衛員(秘密警察)に「なぜ反逆者に話しかけるのか」と乱暴に遮られたが、停電で列車が停まり、雰囲気が変わったところで情報筋は脱北者に話しかけてみた。

家族は10年以上中国で暮らし、そこで息子も生まれ7歳になったが、妻が働いていた食堂で逮捕されてしまい、夫も息子も逮捕され、強制送還されたという。「保衛員が食べ物をくれないのでお腹が空いている」というのでインスタントラーメンを渡したところ、生のままで息子と分けて食べたという。

(参考記事:脱北に失敗した北朝鮮人夫婦の「究極の選択」

脱北を未然に防止するための活動も行われている。

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先月28日の青年節に金日成・金正日主義青年同盟のメンバーを集めて行われた集会には、脱北を試みた兄弟が登場した。先に脱北を3回試みて成功し、韓国に渡った姉の後を追って中国に向かったが、逮捕され強制送還されたという。兄弟に対しては「元帥様(金正恩党委員長)の恩を裏切った獣以下の連中」という徹底的な批判が行われたとのことだ。

情報筋は、統制と取り締まりの強化が9.9節に合わせて行われていると見て、それがが過ぎるまでこの状況が続くだろうと述べた。