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祖国の保護の下、少数エリート集団で金正日体制の先鋒部隊を任された彼らの頭の中は、祖国の体制保護でなく、自由世界に対する好奇心と渇望でいっぱいだ。

北朝鮮の大学の中核を担っている金日成総合大学(別名総合大あるいは総大)、平壌外国語大学(外大)、金策(キムチェク)工業大学(キム大)の学生らは、両親に連れられ国外で生活する場合が多い。両親が外貨稼ぎ機関の職員として頻繁に国外に出るためだ。昨年までは子供が2人の場合、1人は北朝鮮に置いて出なければならなかったが、今年の初めからは子供全員を国外に連れて出ることが可能になった。

中国への留学生らは金日成総合大学の場合は外文学部、平壌外国語大学の場合は中国語学部の学生が大多数。また、大学入学前に中国で留学を終えた学生たちも、やはり大多数がこれらの大学の学部に入学する。

一度北朝鮮を出れば最低でも2年、最高で10年以上を国外(中国)で生活することになる。当然、韓国の文化や西側世界の文化に影響を自然と受けるだろう。人によっては北朝鮮で過ごした歳月よりも、国外で過ごす時間が長くなり、朝鮮に訛りが出たり中国での生活習慣に慣れてしまい、それが問題になったりもする。そのせいか北朝鮮では、2年以上帰国していない学生に限り、約一週間ほどの「修学旅行団」を組織することもある。「祖国を見失うな」という意図だ。

留学生らはMSNメッセンジャーを通し、互いにチャットなどをやりとりする。中国にいる留学生の間では、1年前まで中国版サイワールド(cyworld.com.cn)が流行だったが、今では人人网(renren.com)を通じ、個人ブログまで作って互いにやり取りする。このように互いの連絡先を知りメールするようになると、やりとりの内容は最新の音楽、ファッション、ドラマ、映画などに関するものが大半だ。

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今まで文化の流入が封鎖されてきた平壌では、留学生らによって禁止されていた非社会主義の文化が徐々に浸透しつつある。特に、同じ言語を使う韓国の文化は中でも一番の人気である。韓国から発信されるすべての媒体は3ケ月も経てば、平壌に出回る。

これまでは韓国の物(ドラマ、映画、音楽など)であれば無条件見てきた学生たちが、今では演芸大賞、演技大賞、歌謡大賞などの年末に行われる授賞式で大賞あるいは賞を受けたものだけを選んで見るようになるほど変わった。南朝鮮傀儡集団だと厳しい思想教育を受けた若いエリート集団を中心に、非社会主義の温床の敵である南朝鮮の文化が急速に広がっているのだ。

以下は最近、平壌大学生らの間で広がっているジョークだ。

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歌手アン・ジェウクが平壌で公演をすることになった。平壌国際空港に到着したアン・ジェウクを迎えるために、花を持った多くの人々で待ちわびている。アン・ジェウクが飛行機から降りるとすぐに、多くの人々が持っている花を振りながら「アン・ジェウク!」と叫ぶのだ。

とそこに、遠くから花束を持ったある女子大生が近づいて、アン・ジェウクに「兄さん(オッパ) !ファンです。お会いできてとても嬉しいです〜」と耳打ちするように話した。アン・ジェウクは「ところで…他のファンたちはみなどこへ行ってしまったのですか?なぜあなた一人だけなのでしょう?」といぶかしそうに女子大生に聞いた。

すると女子大生は「みな収容所に連れて行かれて…私だけが残ったのです」と囁くのだ。

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もちろんジョークではあるが、韓国と自由世界に対するあこがれが反語的に表現されたものではなかろうか。ある学生の場合、両親あるいは北朝鮮の友人らと会話する時を除いては、韓国人よりもさらに韓国的な口調で話す。20年以上平壌だけで生活し、初めて国外に出た大学生でさえも韓国的な口調を巧みに使いこなす。これほど驚いたことはない。

まさにこれが、祖国のために命捧げ、闘争を誓う北朝鮮の少数エリート大学生らの現実の姿なのだ。