北朝鮮外務省の報道官(スポークスマン)は7日、訪朝したポンペオ米国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長との高位級会談について談話を発表し、米国側が「強盗さながらの非核化要求だけを持ち出した」として強い不満を表明した。朝鮮中央通信が伝えた。
談話によれば、北朝鮮側は会談に先立ち、トランプ米大統領への金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)の親書をポンペオ氏に手渡した。親書で金正恩氏は、「シンガポール首脳の対面と会談を通じてトランプ大統領と結んだ立派な親交関係と大統領に対する信頼の感情が今回の高位級会談をはじめ、今後の対話過程を通じてさらに強固になるとの期待と確信を表明した」という。
談話は続けて「しかし、米国側はシンガポール首脳の対面と会談の精神に背ちしてCVIDだの、申告だの、検証だのと言って、一方的で強盗さながらの非核化要求だけを持ち出した。
情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である朝鮮半島の平和体制構築問題については一切言及せず、すでに合意された終戦宣言問題までいろいろな条件と口実を設けて遠く後回しにしようとする立場を取った」と指摘。
さらに、「米国側が朝米首脳の対面と会談の精神に合致するように建設的な方案を持ってくるだろうと考えていたわれわれの期待と希望は愚かだと言えるほど純真なものであった」「今回の初の朝米高位級会談を通じて朝米間の信頼はより強固になるどころか、むしろ確固不動であったわれわれの非核化意志が揺さぶられる危険な局面に直面するようになった」などと、不満を露わにした。