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北朝鮮の国家安全保衛部(保衛部)が異例に、外国人スパイとこれに同調した北朝鮮の住民を逮捕した事実を、対外的に公開した。

保衛部のイ・スギル代弁人は5日、記者会見まで開いて、外信に外国人スパイの逮捕の事実を電撃公開した。

中国の新華社通信は平壌発で、”北朝鮮国内の重要な軍事施設に対する情報を収集、流出した容疑で、外国人スパイを逮捕した”と、真っ先に報道した。
5日午後4時頃、AFP通信は中国の新華社通信の報道を受けて報道した。

‘保衛部代弁人’という職責は、北朝鮮の住民にとっては初耳の肩書きだ。

一番注目されることは、外国人スパイを逮捕したと異例に代弁人まで立てて公開発表した、保衛部の行動だ。

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過去にも、これに似た事例がある。代表的な事件がいわゆる’日本経済新聞社の記者であった杉島岑記者スパイ事件’だ。

1980年代半ば以後、北朝鮮を5回訪問した日本経済新聞の杉島岑記者が、99年12月にスパイ容疑で平壌で突然逮捕された。この事件は当時、対外的に発表されず、保衛部の代弁人まで出て来て発表するということもなかった。

北朝鮮政府は杉島記者が高性能のポータブルカメラと録音機を持って情報収集をしたため逮捕したと、日本側に知らせた。

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杉島記者は2002年2月に釈放されたが、当時、北朝鮮政府が杉島記者を釈放した背景は、日本との関係改善を推進するための、外交的ジェスチャーという分析が多かった。7ヶ月後の2002年9月に、小泉総理が初めて平壌を訪問したからである。

保衛部が発表した’外国人スパイ’、日本人の可能性も排除できず

北朝鮮の住民は、政府の許可なしに外国人と密かに接触して発覚すれば、スパイとして逮捕される可能性がある。したがって、今回の保衛部の外国人スパイ事件に、住民が一緒に関わっていたという点に注目する必要がある。

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第1に、北朝鮮政府の異例の対応は、この数年間、北朝鮮内部の各種の情報が、日本と第3国に流されていたことに対する警告であると解釈される。

これまで、カメラを利用して北朝鮮国内の状況を撮影した動画や写真が流出し、この内容は日本の放送会社をはじめとし、韓国やアメリカ、ヨーロッパ等で放映された。国連人権委員会は2005年に、北朝鮮の公開銃殺の動画(デイリーNK特種報道)を、北朝鮮の人権実態の証拠として公式に採用し、会場で上映した。

北朝鮮の前国家安全保衛部出身のキム・ミョンチョル(仮名, 99年入国)氏は、”外国人が北朝鮮国内の特定地域の動画や写真を、現地の住民を通じて手に入れようとして、見付かれば直ちにスパイ罪とされる”と説明した。キム氏はまた、”彼らに協力した北朝鮮の住民も、共にスパイとされる”と語った。

更に、”スパイは保衛部で捕まえるが、北朝鮮の住民を教育するための講演でスパイ事件を引用する時は、社会安全省(警察)名義や司法省名義にする”と述べ、”したがって、今回の保衛部の対外発浮ヘ極めて異例”と語った。

第2に、5日にモンゴルのウランバートルで開幕した日朝関係正常化の実務会議に合わせて発表したという点にも注目する必要があると思われる。

北朝鮮の交渉戦略には、交渉を有利に進めるために、対話を通じた交渉が行われる際、背後で強硬戦術を使う例があまたある。6ヶ国協議や南北政府間の会談が進行している時、短距離ミサイルの発射実験をするのが代表的な例だ。

したがって、日朝関係正常化交渉で優位に立つために、’外国人スパイ事件’と発表して、日本側の緊張を高める意図がある可能性がある。そのため、今回、保衛部が発表した’外国人スパイ’として、’日本人’を逮捕した可能性も排除し難い。

だが、今回の保衛部の発浮ヘ、過去のような比較的’簡単な’事例として見ることも難しい側面がある。

もし、アメリカ人または韓国人がスパイとして逮捕された場合、その外交的影響が拡大する可能性がある。

北朝鮮政府の動向を注視する必要がある。