今月15日で韓国にいる脱北者が2万人を突破した。2007年に1万人時代が到達した後、3年ぶり。
2万人目は41歳の女性のキム氏で、先に入国していた母親の誘いで脱北を決心し11月初め二人の息子と共に入国した。
同氏の場合のような家族同伴入国は、昨年12%から今年は40%に急増した。一人での脱北が減った。また、先に入国した家族らの積極的な誘いによる脱北も昨年の23%から40%に増加した。
2万人の脱北者の中で咸鏡道(ハムギョンド)出身が(77%)、20〜40代(75%)、女性(68%)の比率が高い。
若い女性が多数を占める理由に対して「チャレンジ精神が旺盛で隠遁・逃避生活がしやすいから」と韓国政府は説明した。 特に、女性は北朝鮮内での移動が自由で、第三国への潜伏・滞留で利点がある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面脱北者らの北朝鮮での職業は職業を持たなかった人々が半数を占める。職業別に見れば労働者が39%、奉仕職4%、軍人・工作員3%、管理職・専門職が2%を占め、その他にも芸術・体育従事者も1%を占めた。
韓国に入国後、現在まで生活補助を受けている脱北者は全体の54.4%で、一般国民の3.2%と比べると圧倒的に高い水準だ。ただし、毎年の需給率は減少している傾向で、2006年の69.5%から2007年は63.5%、2008年は54.8%と減少している。
経済活動比率から脱北者の韓国社会での定着可否を把握すると、一般国民の61.3%が経済活動に参加しているのと比べ、脱北者は48.6%に留まっている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面失業率は13.7%でかなり高い。生産可能人口の就業者比率の雇用率の場合は41.9%。一般国民は雇用率59.3%水準。
雇用率が高くない理由に対して韓国政府は▲就職意志の不足、▲列悪な健康状態、▲韓国、北朝鮮の労働レベルと文化の違い、▲育児負担、▲社会保障システムに頼っているなどと分析している。
脱北者の月の平均勤労所得は127万ウォンで、定着期間が長いほど平均月給が増加する傾向。2年未満の場合は106.2万ウォンである反面、7年以上の場合は186.7万ウォンだった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓国政府もこれまでの定着金中心の支援策から、脱北者の自立・自活を行う為の職業訓練・就職促進の為の奨励金制度に支援方向を変えている。
韓国政府は脱北者の就業意志を高めるために、職業訓練奨励金(最大240万ウォン)、資格取得奨励金(200万ウォン)を支給し、就職時1年目・2年目・3年目に各550〜650万ウォン総1,800万ウォンを支給している。
このような政策の影響から、各種の奨励金を受領する脱北者も増加している。2008年は441人、2009年は795人、2010年(9月末現在)で1013人に支給された。
2万人という数字だけを見れば、地方の小都市規模である。彼らは独裁体制が存続している北朝鮮から自由を勝ち取るために韓国に入国し、今後の南北統合過程で重要な役割が期待されるという点で、2万人時代は格別な意味を持っている。
イム・スンヒ統一研究院選任研究委員はデイリーNKとの通話で「不便な存在、好奇心の対象など脱北者に対し、否定的な認識があったのは事実。隣人として受け入れる国民的共感と努力が必要だ」と話した。
「今後の統一過程と統一時代で最も大きな役割を担当する人々は、今の脱北者。本人の責任意識と使命感に加え、彼らが統一時代を作り出す主役という点を認識させ鼓舞させることができる環境を作っていく必要がある」と強調した。
現在、脱北者はソウル、京畿地域に56%以上が居住しているが、仁川、釜山、江原、全南、全北など全国各地でも生活している。済州道にも117人が居住している。