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北朝鮮の国営朝鮮中央テレビは、14日の午後3時の放送開始直後から「敬愛する最高領導者金正恩同志が米合衆国大統領と史上初めての朝米首脳の対面と会談が行われる」というタイトルの42分に及ぶ記録映画を放送し、金正恩党委員長のシンガポール訪問、リー・シェンロン首脳との会談、そしてトランプ米大統領との米朝首脳会談の様子を詳細に報じた。

(参考記事:金正恩氏がトランプ氏だけに明かす「愛用ベンツ」の極秘事項

朝鮮労働党機関紙の労働新聞なども連日大きく報じており、北朝鮮国内での関心は非常に高いようだ。一連の報道に接した北朝鮮国民の間からは、金正恩氏に対する高い評価と、今後への期待の声が聞かれた。

「党、軍、政府の幹部はもちろん、大学教授や大学生の間では13日の労働新聞に掲載された米国との会談と写真の話でもちきりだった。若い人たちは、すぐにでも統一するかもしれないという期待に胸を膨らませている」(両江道<リャンガンド>のデイリーNK内部情報筋)

彼らは米朝首脳会談の記事を細かく読み、今後どのような変化が自国に訪れるか、意見を述べあっている。「北朝鮮も他の国のように文明、文化を享受できる機会が来るだろう」と、首脳会談を評価する大学生もいたという。

ただ、内部情報筋がデイリーNKの記者と通話した13日の時点で、労働新聞は首都平壌から遠く離れた両江道には届いていない。時間差で配達されるが、この時点でいち早く記事に接することができたのは、イントラネットで労働新聞のサイトにアクセスできる一部の層だけだ。

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一般庶民は、市場での口コミで米朝首脳会談のことを知り、経済が確実によくなるだろうかということに関心を寄せている。ただし、会談の詳細については知らなかったようだ。

情報筋は13日午前に平壌在住の親戚と電話で、首都と国境地域の住民の首脳会談への反応について情報交換をしたが、どちらの住民からも「豊かな暮らしができる条件が整って欲しい」という期待の声が上がったとのことだ。

情報筋は、金正恩氏に対する肯定的な評価が増しているともは伝えた。

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「祖父(金日成主席)が築いた財産を父(金正日総書記)が食いつぶしたので、孫は指をくわえて見ているだけ」(情報筋)というのが金正恩氏に対する一般的な評価だったが、それが一変した。「元帥様(金正恩氏)は、人民の生活のために世紀の大英断をお下しになった」などの声が上がっているという。

一方、写真を見て分析する人も数多く現れた。「椅子の肘掛けにもたれかかり笑みを見せる元帥様とは異なり、トランプ大統領は両手を合わせているが、笑っていないのは満足していない証拠」との見方がほとんどだという。

「米国と比べて非常に小さい韓国も、国際社会で堂々と米国と肩を並べ会談している」として、会談が行われたことだけでも満足だという学生もいる。

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若者の中では、会談場に掲げられた米朝両国の国旗を見て「北朝鮮国旗の方が鮮やかだ」と、プライドの高い北朝鮮の人らしいリアクションがある一方で、「憎悪の象徴だった米国国旗が、北朝鮮国旗と同じ色合いであることに驚いた」との反応を示す人もいたとのことだ。