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最近、平壌の朝鮮中央歴史博物館(国立中央博物館に該当)が、珍しい文化財であるチェヒョプ(絵が描かれた竹の箱)を日本の放送関係者に70万ドル(韓国の6億5800万ウォン)で売ってほしいと頼んだという報道が出て、国内の歴史学界に衝撃を与えた。

6月10日に放送された日本のTBSの報道特集の内容が、一足遅れて知られ、今回韓国国内で報道された。

このプログラムはTBSのフリーランサーのカメラマンが北朝鮮を訪問して、’朝鮮中央歴史博物館の副官長’と主張する人と直接、文化財を取り引きする内容を詳細に伝えた。

北朝鮮政府の官吏の慢性的な腐敗と、政府の管理の不始末で、国宝級の文化財が流出しているという事実はよく知られている。だが、今回のように中央歴史博物館の副官長が直接出て来て、外国人を相手に販売を試みたという事実が知られたのは、今回が初めてだ。

韓国の歴史学界が受けた衝撃も大きい。先月31日にこの事実が報道されると、国内の文化財専門家らが、“外国に売るよりはむしろ、韓国の国立中央博物館に長期間貸し出して、貸し出し料を得たほうがよい”と言ったことからも分かる。

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“偽物を掛け合った可能性はある”

だが一部では、そのようなことが実際に可能なのかという反論もある。特に、北朝鮮の文化財流出の’足場’である中国丹東の関連業者の多くは、信じられないと言う。丹東では今も100~150人の骨董品の商人が、大型の商店を経営しており、韓国の骨董品ブローカーたちに北朝鮮の文化財を販売している。

中国の丹東で10年以上、北朝鮮の文化財を販売して来たチェ・ジョニン(仮名)氏は最近、デイリーNKとの通話で、“考えて見てください。中央歴史博物館の人たちも、首がいくつあればそんなことができるのですか”と問い返した。

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チェ氏は“北朝鮮が90年代後半のようにとても困難な状況ならば知らないが、また、たとえ困難だと言っても、外国人と文化財を密かに取り引きすることはありえない”と述べ、”北朝鮮の事情をよく知っている人たちは絶対に信じないだろう”と語った。また、“それくらいの宝物ならば、(密かに売って)死刑になる可能性もある”と述べ、到底信じられないと語った。

チェ氏は更に、“90年代後半に、北朝鮮の博物館から偽物の文化財を流出したことはあると聞いた”と述べ、今回報道されたチェヒョプが偽物である可能性を控え目に主張した。

また、別の骨董品業者のイ・ミョンヒ氏も、“1年前に北朝鮮の博物館の方から、日本の天皇が使った刀があるから売ってほしいと頼まれて、日本人を紹介したことがあるが、偽物と分かって恥をかいたことがある”と語った。

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イ氏も’偽物’である可能性をほのめかして、“北朝鮮の人々は、そのような取り引きをする時、たいてい韓国の人や日本の人に、直接対面しない傾向が強い”と言った。その理由は、“ともすれば (南朝鮮)のスパイと誤認されて、処刑される可能性があるから”だという。

イ氏は90年代初頭から、北朝鮮の文化財を売ってきたベテラン.だ。一時、国宝級の骨董を購入しようと、中国人の身分で開城まで行き、スパイ容疑で逮捕されて、1年間北朝鮮の監獄に入れられて出て来た、’北朝鮮の文化財流出の生き証人’だ。

今回、朝鮮中央歴史博物館が密かに売ろうとした遺物は、1931年に朝鮮古跡研究会が、平壌で掘り出した3世紀のチェヒョプで、当時、‘超一流の世界的遺物’という評価を受けた貴重な遺物であると、日本のTBSは伝えた。