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水泳の授業のため、無理やりにプールに来るように言われた大学生の中には、水に入らないという人も多い。体育の先生にタバコを差し出して、学生のかばんを見張ると言って、汚いプールに身を浸すことを避けることもできる。

咸興や元山、南浦の人々は、海に行って海水浴をする。だが、海水浴場も水がとても貴重で、シャワーをあびる水は持って行かなければならない。顔を洗う水もないから、海水で顔を洗うが、せっけんの泡が全然立たずに、ぬめぬめしているだけだ。

平壌の市民たちに、真夏に一番耐えられないことは何かと聞いたら、誰もがバスや軌道電車と言う。電気事情や設備事情のため、市民の交通が不足していて、バスや軌道電車はいつもすし詰め状態だ。

風も吹かずに、互いに体を突き合わせていたら、あっという間に全身びっしょりになる。それでも、地下鉄では凉しい風が吹いて、すし詰めバスほどの苦役はない。

8月の平壌で目に付くのが、飲み物商売と氷商売だ。朝鮮ではアイスを‘カカオ’と呼ぶ。地方ごとに差があるが、カカオと言えば、やっぱり平壌のカカオが最高だ。

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カカオを食べて、大腸炎に

朝鮮では多くの工場の企業所でカカオを作って、ビニール包装までして販売する。ビニールの包装紙には、工場の電話番号まで書かれている。このような包装カカオは朝鮮のお金で150ウォンのものから200ウォン、300ウォン、500ウォンまで多様だ。工場で生産されたカカオは味も良くて、食べてからおなかをこわす確率も低い。だが、とても甘くてすぐに溶けて流れてしまう。喉が渇いた時には、個人で作った50ウォンや、100ウォンのカカオを買って食べなければならない。

いくら小麦粉や牛乳、飴粉を入れて作ったと宣伝しても、実際に100ウォン以下の製品は、サッカリンで作ったものなので、かむ時はさっぱりするが、後味がとても苦い。また、清潔でないので、大腸炎にかかることを覚悟しなければならない。真水にサッカリンを入れて氷らせたカカオは50ウォン、真水だけ氷らせたものは30ウォンだ。

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平壌のカカオの味は、それでもよい方だ。地方で売られるカカオは30ウォン、50ウォン、100ウォン、200ウォンのものがあるが、すべて個人が作って売るので、たまに豆の皮が混ざっていたり、蝿や髪の毛を飲み込むこともある。こうしたカカオは水道水が出なければ、川の水で作るといううわさもあるが、それでも真夏の喉の渇きがひどい時は、カカオを買って食べたくなる。

氷商売に劣らず、飲み物商売も凄い。平壌市では通りごとに、企業所の名前などを掲げて、氷水を売る。‘ミカン水’、‘ぶどう水’と言って売るが、真水に中国から来たオレンジジュースなどを溶いて売るのだ。鮮やかにするために、色素を入れたりもする。コップ1杯が50ウォンや100ウォンだ。

お客さんたちが飲んだコップは、たらいの水で大まかにゆすいでまた使うが、1日中、1つのたらいの水に浸したり、取り出したりを繰り返す。そして、掃除をした手で、氷を浄水器に入れたりもする。それを見ても、喉の渇きを癒すために、仕方なく買って飲まなければならない。

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貴重な氷

氷水の値段が高いのは、氷の値段が高いからだ。冷凍機を持っている家はあまりなく、商売をする人は多いから、氷の値段が当然高い。平壌市でも、バケツに氷の塊を浮かべた真水を道に持って出て、コップ1杯20ウォンで売る人が多い。

平壌市では、ヨーグルトと豆乳も売るが、コップ1杯100ウォンか200ウォンする。この豆乳を買って飲んで、食中毒にかかって苦しむ人も多かった。

そのため、偶然肉が1~2キロ手に入っても、冷凍機がある家に預けて、その使用料を支払わなければならない。それで、冷凍機がある家は、真夏はとてもよい。

水はトイレでも出ないで、使うことができないことがある。真夏に金日成広場や主体思想塔公園で行事の訓練をする人たちは、大抵、トイレの水を飲み水として飲む。

そのため、平壌の人たちは口々に言う。

“干からびそうになる夏よりも、とても寒いが、冬の方が百倍もましだ!”