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金正恩の後継者が公式化され現地指導が本格化しており、これを北朝鮮メディアが大々的に報道する事で金正恩のイメージアップに注力している。

金正恩が労働党代表者会を通じて後継者として公式化された直後の先月1日、労働新聞の1面の写真を通じて初めて公開された。その後、軍部隊、国家安全保衛部、煕川発電所などを相次いで現地指導を行い、これを北朝鮮メディアが集中的に報道している。

◆「政治的ショー」に転落した現地指導

元もとの趣旨は金日成が各地域の住民の勤労意欲を高める為に60〜70年代に行われていたが、現在は「人民的な指導者」というイメージ作りの手段に転落したと脱北者と北朝鮮専門家らは評価している。

現地指導は金日成時代には民心を聞く独特の統治形態と評価されたが、金正日時代からは偶像化に活用される政治的ショーに変質したと言われている。

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最近の北朝鮮メディアの金正恩の現地指導報道の過熱化も民心の汲み取りではなく、慈悲深い人民の指導者というイメージ作りであると思われる。

金正日が現地指導の際に人民服と厚いジャンパー姿でコーディネートするのも、このような効果を極大化するためと見られる。金正恩は今月4日、煕川(ヒチョン)発電所の現地指導で金正日と同じ灰色の厚いジャンパーを着用した。

◆金正恩の現地指導は効果があるか

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金正恩の後継者としてのイメージをアップを狙った現地指導の効果も注目される。

北朝鮮で後継者のイメージを構築するために最も主要に利用されるのは、対内外的な偶像化教育であり、メディアと出版物等を通した宣伝・扇動だ。

金正恩の姿が一般住民たちに公開される唯一の通路は、朝鮮中央TVや労働新聞の現地指導の写真と映像。北朝鮮は指導者の姿を最大限に人民的に演出し公開する。

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チョ・ミョンチョル対外経済政策研究員統一国際協力チーム長はデイリーNKとの通話で「北朝鮮メディアの金父子の公開は、金正日の健康と後継体制に何の問題も無いという誇示用。外部が持っている後継体制が不安だという認識を払拭させる同時に、人民が忠誠を尽くしているという点を宣伝する為」と分析した。

◆鋭い住民は現地指導の本質を知っている

しかし、北朝鮮当局の意図とは違い、現在は以前の様に勤労意欲の向上と忠誠度を高める効果を期待する事は難しいだろうと観測されている。

現在の現地指導が大幅に変化し、一般住民も過去とは違い素直に受け止めていないからだ。

実際に27歳に過ぎない金正恩に人民軍大将の称号を与えたのに続き、党中央軍事委員会副委員長に任命し後継者として公式化したが、これも住民の不満が広がった理由でもある。

両江道出身のキム・ヨンシク氏は「昔は現地指導で出迎えを行う人は光栄を感じ、その地域の人々はプレゼントを貰えるた為、将軍様に対する忠誠度が高まったが、現在はそのようなプレゼントどころか現地指導の出迎えも苦しい心境」と吐露した。

チョチーム長も「金日成時代よりも暮らしが厳しくなるなど生活水準が低くなり、指導者のショーである事をほとんどの人は皆知っている」と指摘した。