北朝鮮の金正恩党委員長の側近、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長が1日午後(日本時間2日未明)、ワシントンのホワイトハウスを訪れ、トランプ米大統領に金正恩氏の親書を伝達する。北朝鮮高官のホワイトハウス訪問は、2000年10月の趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第1副委員長(当時)以来、18年ぶりとなる。
(参考記事:ホワイトハウスに乗り込んだ北朝鮮「ベトナム戦争」の英雄)
金英哲氏は5月30、31の両日、今月12日にシンガポールでの開催が予定されている米朝首脳会談の開催を巡り、ニューヨークでポンペオ米国務長官と協議した。金英哲氏はこれを踏まえ、金正恩氏の首脳会談に向けた最終的な立場を伝えるとみられる。
ポンペオ氏は協議後の記者会見で、首脳会談に向けて「この72時間で実質的な進展があった」としながらも、「まだ多くの課題が残っている」と述べた。両国は板門店(パンムンジョム)とシンガポールでも並行して協議を行っており、それらを含め「72時間」としたもようだ。
ポンペオ氏は「米朝が合意をするためには金正恩国務委員長の大胆な決断が必要だ」として、北朝鮮の非核化を巡り、両国の間になお溝があることを示唆した。同氏はまた、「今回の機会を逃すことは悲劇」であるとしつつ、「金委員長はそのような決断を下せる指導者で、これからの数週間か数カ月間、私たちはそれが行われるかを試す機会を持つ」と語った。