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4月30日、韓国・光州市の繁華街で、暴力団員と思しき男たち7人が男性1人に対し集団で暴力を振るう事件が発生。警察のお粗末な対応に、批判の声が上がっている。

韓国紙・朝鮮日報5月4日付(日本語電子版)によれば、事件は、飲酒後に帰宅する際、タクシー乗車を巡り男性3人・女性2人の被害者たちと、男7人・女3人の加害者たちがもめたことから発生。被害者のパクさんは当初、もめ事の仲裁をしようとして集中的に暴力を振るわれたという。現地警察署は、集団傷害の容疑で加害者の男(31)ら3人を逮捕、4人を書類送検した。

問題は、通報を受けて駆け付けた警察官5人が、屈強な加害者を相手に鎮圧に及び腰になり、被害者の救出が遅れた点にある。その様子は市民によって動画に収められ、3日に公開された。

(参考記事:【動画】ヤクザの迫力に押され負け…韓国警察の「へっぴり腰」に批判

公開された動画を見ると、たしかにこれはひどい。警察官は、明らかに迫力負けしており、腰が引けている。男たちは警察官に対しても、腕力で抗っているように見える。明らかに公務執行妨害だろう。日本だったら、少なくとも警視庁や大阪府警など大都市の警察管内では、あり得ない光景ではないだろうか。

これを見て思い出したのが、最近ロシアで起きた、北朝鮮労働者とタジキスタン労働者の乱闘騒ぎだ。

(参考記事:【動画】北朝鮮労働者とタジキスタン労働者、ロシアで大乱闘

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国家が国民を厳しく統制している北朝鮮にも暴力団組織のようなものがあり、乱闘騒ぎもときどき起きている。

(参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界(上)】28歳で頂点に立った伝説の男

ひとたび乱闘が起きると、死人が出るほど非常に激しいものになると聞いていたが、この動画を見れば納得である。

最近の南北対話の流れの中、朝鮮半島の統一が夢を持って語られるようになっているが、北朝鮮と韓国は、70年以上も「別の国」「別の社会」としてやってきたのだ。常識も違えば、物事に対する感覚にも違いがある。何より、経済水準に大きな差ができている。接触が増えれば、良いことばかりが起きるわけではない。

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南北統一は、仮に実現するとしても、そこまでの道のりは長く険しいものになる。そしてもしかすると、統一後の歩みは、いっそう険しいものになる可能性があるのだ。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記