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北朝鮮が最近になって、人民保安部が個人が商用で営業を行っている乗用車、大型車、貨物トラックなどを全てを没収するとの指示を下した事が確認された。

サービス車(service-car)は電力難によって運行率が急減した鉄道の代用として、2000年代中盤から人、物流の核心的な役割を果たしてきた。今回の統制が貨幣改革の後遺症から、かろうじて抜け出そうとしている北朝鮮経済に新たな衝撃を与えるとの憂慮が提起される。

咸鏡北道の内部消息筋は24日「18日に告知された人民保安部の指示文で、個人が所有している乗用車、大型車、1.5〜2t小型貨物車などに対する取り締まりが始まった。交通保安院(交通警察)を総動員し路上で自動車登録証、自動車検査証、自動車運行証、運転免許証などの確認をしている」と話した。

「各道の交通署の交通取り締まり総合状況室のコンピュータに保存された幹部車両と事業用車両以外は、全部没収するという人民保安部の意志。軍の外貨稼ぎ機関が持っている車両も全て検閲対象であり、これは憲兵が処理することになるだろう」と付け加えた。

消息筋によれば、今回の取り締まりは2段階(1段階は今年末まで、2段階は来年4月末まで)で行われ、今後6ヶ月間で主要機関企業所の自動車の保有および運行現況を検閲を行い、路上で発見される自動車を全て検問し違法事項が発見され場合には、現場で没収する方針だという。

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このような措置は、最近内部統制に力を注いでいる「非社会主義要素の清算闘争」の一環と思われる。自動車のような国家財産が私的な営利目的で利用されるのも問題だが、これを統括する幹部らが脱法的な手段で利益を得ているのをこれ以上座視しないという宣言と取れる。サービス車の実態は、自動車の登録、燃料の獲得および運行、発生した利益などの全てを幹部らがピンはねし、不法取引、賄賂、公文書偽造が盛んに行われている。

しかし、今回の統制がもたらす影響も大きいと予想される。サービス車が北朝鮮内部で占める比重が高く、統制と処罰が長期化される場合、昨年の貨幣改革に匹敵する内部混乱が発生する可能性もある。

現在北朝鮮では人・物流の過半数以上をサービス車に依存している。以前は大部分を鉄道に依存していたが、経済難と電力難が重なった96年〜98年からは鉄道の稼動率が40%未満に下落した。サービス車はこの時から鉄道の代案として広がり始め、2004年の常設市場の登場によって住民の移動と物流の需要が爆発的に増加し、現在では北朝鮮の核心的な運送手段に発達した。

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また、サービス車の拡散は北朝鮮当局の内部統制力の喪失につながっている。物流と人の移動は必然的に情報の移動を産む。サービス車の拡散によって黄海道住民が咸鏡北道会寧の豆満江の国境にまで接近が可能になった。このため、自然と内部情報の流出が起こり、北朝鮮当局が恐れている統制力の喪失に繋がる事になる。

そして、今回の統制の余波は市場の不安定化を直撃するしかないと指摘されている。

消息筋は「サービス車を無くすと言う事は、(90年中盤のように)座って飢死しろと言う事。サービス車がなければ企業所の生産問題だけでなく、市場の卸売商・小売り商、国民の暮らしに大きな問題が発生する」と話した。

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「ひとまずは中下級の幹部、彼らと結託した商売人らが大きな打撃を受けるだろう。現状は従業員が100人にも満たない工場でもサービス車を所有しており、住民よりは幹部の反発が先に起こるだろう」と付け加えた。

貨幣改革が当局と住民のマネー戦争だとすれば、サービス車統制は当局と下級幹部との対立を引き起こす可能性が高い。