脱北者の取り締まりを強化している中国当局が、通報者に支払う報償金の額を大幅に引き上げた。それにより通報、逮捕が増えているが、北朝鮮の人々はさほど気にしていないようだ。
北朝鮮事情に精通した中国の情報筋によると、(脱北者の)北朝鮮人を通報すれば1人あたり5000元(約8万5000円)の報奨金が支給されるという。
かつての300元(約5100円)から大きく引き上げられたのは、先月27日に行われた中朝首脳会談を受けての措置だ。この時期には脱北者に対する取り締まりが強化され、瀋陽と昆明で30人が逮捕されたが、後に釈放された。
この措置で、逮捕される脱北者や密輸業者が増加しているが、「北朝鮮の人々は意に介することなく果敢に国境を越えてくる」と別の情報筋が伝えた。北朝鮮の庶民生活が、いかに困窮しているかを示すものと言えよう。
(参考記事:進むも地獄、退くも地獄…中国で脱北者を待つ過酷な境遇)