中国の税関当局は、虚偽の申告をして北朝鮮で加工した製品を中国に持ち込もうとしたトラックを摘発した。違法行為は、税関検査の盲点をついたものだった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中朝国境に面した中国・丹東の貿易業者がRFAに明かしたところでは、現地税関当局は今月7日、「積荷がない回送車」と申告して中国に入国しようとしていた北朝鮮のトラックの中から、ランダムに5台を選んで抜き打ち検査を行った。

その結果、3台からカツラ、つけまつげ、アクセサリーなど北朝鮮で加工した製品が3トンも見つかり、摘発した。税関では、回送車と申告したトラックに対しては検査を行わずに通関させていたが、摘発されたドライバーはそれを利用して密輸を行おうとしたものと思われる。摘発の裏にはどうやら密告があったようだ。

「税関員が普段はやらない検査を抜き打ちで行うのは異例で、おそらく北朝鮮のトラックの密輸に関する情報を得て検査を行った可能性が高い」(貿易業者)

ドライバーに対してどのような処分が下されたかわかっていないが、この業者は車両、ドライバーともに永久入国禁止になった可能性が高いと見ている。そうなればドライバーは職を失うことになる。

中朝貿易のトラックドライバーになろうとすれば、貿易会社の幹部に多額のワイロを掴ませなければならない。様々な密輸ができるオイシい仕事だが、永久入国禁止となれば、北朝鮮で一般労働者として工場、企業所に籍を置き、市場でコツコツと商売するしかない。もちろん収入は激減して、ワイロを払うために作った借金も返せなくなる。

中国企業は、人件費の安い北朝鮮の工場に加工を任せることが多かったが、中国当局が北朝鮮からの輸入を規制し、合弁企業を禁止したため、このような取り引きは困難になっていた。

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別の貿易関係者は、今回の件で北朝鮮から中国に向かう回送車への検査強化は避けられないという。以前より時間がかかるようになっていて、出入国車両が1日300台から70台(北朝鮮のトラック20台、中国のトラック50台)まで減っている。

北朝鮮のトラックは、朝早く中国に入国し、午後に帰国することが多いが、それができなくなり、コストが増大するものと思われる。中国当局は今までも、税関検査を利用して北朝鮮に圧力をかけてきた。