米政府は23日、北朝鮮への石油や石炭の海上密輸に関与した計56の海運・貿易会社、船舶、個人を対象とする新たな追加独自制裁を発表した。トランプ米大統領は同日、メリーランド州で行った演説で、「一国に対する過去最大の制裁を科した。前向きな効果を望んでいる」と述べた。
国連安全保障理事会はすでに、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、石油や石炭などの取引を厳しく制限する制裁が発動している。しかし国際包囲網の監視をすり抜け、これらの禁輸品を洋上の船舶間で移し替える「瀬取り」と呼ばれる行為が横行しているとされる。
今回の追加制裁では、◇北朝鮮のほか中国、香港、シンガポールなどに拠点を置く海運・貿易27社◇パナマやタンザニア船籍などの船舶28隻◇1個人が対象となった。米国内の資産が凍結され、米国人との取引も禁じられる。
ホワイトハウスで記者会見したムニューシン財務長官は、追加制裁により「北朝鮮が使用するほぼすべての船舶が対象となった」と述べるとともに、「北朝鮮と取引する者は代償を覚悟すべきだ」と警告した。
また、トランプ氏はオーストラリアのターンブル首相との共同記者会見で、「もしこれらの制裁で効果が上がらなかった場合、第2段階に進まなければならない。非常に手荒な対応になるかもしれない」と述べた。