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韓国軍が北朝鮮に向けて行ってきた拡声器放送から、金正恩党委員長を批判する内容がなくなったことが確認された。

韓国の東亜日報は、野党・自由韓国党のキム・ハギョン国会国防委員長の話として、拡声器放送では昨年後半から金正恩氏の名前にいっさい言及しなくなっており、体制批判も控えめになったと報じた。

また聯合ニュースは、韓国軍の合同参謀本部が金正恩氏を露骨に批判すれば北朝鮮の人々から反感を買うだけだとして、拡声器放送を運営する心理戦団に「金正恩氏の名前を抜け」という指示を下したと報じた。

この指示により、「金正恩氏は幼く能無し」「国産品愛用を叫ぶが、輸入病(何でも輸入品に依存する傾向)にかかっているのは独裁者金正恩氏と李雪主(リ・ソルチュ)夫人」などといった内容は消え、「ミサイルにカネを使うから北朝鮮の人々が苦労している」といった内容に入れ替えられた。また、平昌冬季五輪のニュースも多く放送している。

心理戦団の関係者は聯合ニュースの取材に、「内容は一部変わったが、音量や放送時間に変更はなく、拡声器の稼働率は8〜9割を維持している」と述べた。

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キム国防委員長は、「対北朝鮮心理戦の最後の砦である拡声器放送からも金正恩氏に対する批判が削除されたのは、北朝鮮に対して現政権が見せている低姿勢の決定版」と文在寅政権の対北朝鮮政策を批判し、「拡声器放送中止の先行措置にも見える」と釘を差した。実際、文氏は昨年7月の朝鮮戦争休戦協定締結64周年を機に、北朝鮮に軍事境界線(MDL)での敵対行為をやめようとの提案をしている。

韓国軍は1962年に「自由の声放送」を設立し、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の最前線の部隊に勤務する兵士と、軍事境界線付近に住む住民に向けて、40台の拡声器を使って1日20時間の放送を続けてきた。2004年に一時中断されたが、北朝鮮側が仕掛けた地雷で自軍兵士の身体の一部が吹き飛ばされたことに対する報復として、2015年8月から一時再開。翌年1月の北朝鮮による核実験を受けて、本格的に再開した。

(参考記事:【動画】吹き飛ぶ韓国軍兵士…北朝鮮の地雷が爆発する瞬間

軍が多額の予算を注ぎ込んで新たに導入した拡声器は、北朝鮮領内の10キロまで聞こえるとの触れ込みだったが、実際はその半分しか聞こえないなど、製品の審査過程で不正があったことが明らかになっている。