北朝鮮が水害の復旧を理由に、南北首脳会談を10月初めに延期し、1ヶ月余りの期間で平壌市を完全に復旧することができるかどうか、関心が集まっている。
北朝鮮は18日、キム・ヤンゴン統一戦線部長名義で、キム・マンボク国家情報院長に電話で通知文を送り、最近、平壌を含めた北朝鮮地域の水害により、復旧が急がれる点を考慮して、盧武鉉大統領の平壌訪問を10月初めに延期することを要請した。
北朝鮮は北朝鮮全域の水害の復旧を理由にあげたが、事実上、平壌の復旧に最低1ヶ月は必要だというメッセージを送ったと解釈することもできる。
首脳会談を準備する余力も不足していたが、平壌を訪問する盧武鉉大統領と南側の北朝鮮訪問団に、’展示都市’として作られた革命の首都平壌市さえ、雨の被害で廃墟に近い姿を見せることはできないだろうという観測だ。
北朝鮮政府は、今後1ヶ月余りの期間で、動員可能なすべての装備と人力を投入して、平壌市の復旧に乗り出すとみられる。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面他地域の人民軍・突撃隊は平壌の復旧ができず
平壌の一部の地域は水位が2mまで上がったという。また、大同江と普通江の周辺の道路と公園などが、相当部分浸水し、3-4ヶ所の地下鉄の駅が浸水するなど、大衆の交通手段が全面中断した。外賓が泊まる普通江ホテルも一部浸水し、清流館、アンサン館などの有名な食堂と、15万席の収容能力がある5.1競技場も浸水したという。
朝鮮中央テレビが公開した映像を見ても、大部分が平野である平壌市の浸水面積はかなり広いと予想される。このように広い面積に押し寄せた土砂をまず片付けなければならないが、復旧工事の重機が不足し、ほとんど人力で取り除かなければならない。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面人民軍と各地域で組職された復旧突撃隊を平壌に投入するとも予想されている。だが、平壌の外郭地域を除いた中心部は、一般の軍隊と労働者の出入りを厳しく統制するとみられる。普段も平壌は通行証がなくては出入りが不可能だから、復旧工事の人力も例外ではない。
平壌中心部の復旧に投入される人力は、平壌防衛司令部や護衛総局、そして一部の工兵隊と平壌の住民だ。もちろん、動員できる重機はすべて動員するだろうが、復旧作業には十分ではなさそうだ。
デャ搭謌謔ﾆ中区域の復旧に全力を尽くすと予想
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面したがって、残りの1ヶ月余りの期間で、首脳会談に蹉跌がないように平壌市内の主要施設と道路に対する復旧作業に全力を注いで、その他の地域は首脳会談の後まで復旧工事が行われると予想される。
南北首脳会談が開かれるペッカ院招待所があるデャ搭謌謔ﾆ中区域の通りの整備と施設の補修、招待所の北にあるクムス山記念宮殿区域の復旧を最優先に行うと思われる。予定通り、陸路での訪朝を推進したら、平壌-開城高速道路の整備に、地方の軍部隊を総動員するだろう。
北朝鮮政府が1ヶ月間復旧に最大限の力を注いだら、首脳会談が開かれる10月初めまでに、平壌の中心部は水害前の姿を取り戻すことができるだろうが、あちこちに被害の跡は残るだろう。
北朝鮮の水害復旧の過去の例を見れば、水害自体ではなく、復旧作業も、住民たちにとってひどい苦痛であることが分かる。
1995年に鴨緑江の上流に降った集中豪雨で、スプンダムの全体の水門を開放したため、新義州や義州地方と、中国の丹東が浸水した。当時の’新義州大洪水’の復旧作業がよく知られている。
当時、新義州のアパートの1階まで浸水し、道路に水が氾濫して交通がまひした。当時、丹東では主な建物が浸水したという。
当時、水害復旧作業に動員された新義州のクァンヱ蜉w出身の脱北者、キム・ジョンチョル（仮名）氏は、”洪水が荒らして過ぎ去った通りと、中学校の教室の中には、土砂が50cmも積もった所があった”と述べ、”新義州市内のクァンヱ蜉w、軽工業大学、チャグァンス大学、マンプン大学など、主な大学の学生や中学校の生徒、人民班員が総動員された”と語った。
また、”道の党と市の当局が、’水害復旧対策委員会’を組織して、単位ごとに区間を決めて任せた”と述べ、”人々はシャベルやつるはし、担架を持って土砂をかき出して運んだ”と説明した。
更にキム氏は、”洪水で倒れた、熟していないとうもろこしをとってゆで、玄米を一杯ずつ食べて働いた”と述べ、”大学ごとに競争させて、どの大学が早く川の堤を積み上げるか競った”と語った。
当時、水害復旧作業は8月中旬に始まり、11月まで約3ヶ月間かかったという。
キム氏は”重機はブルドーザーが1台あったが、油がなくて使うことができなかった。指揮部が油をドラム缶に1杯（180キロ）持って来た人は、作業を剌怩ｷると宣布すると、2人の学生がお金で油を買って持ってきた。だが、お金がない、私を含めた多くの学生は肉体労働をした”と語った。
今回の水害の状況に関してキム氏は、”もちろん、平壌市民に組織力があり、土砂を早く汲み出せても、建物の塗装をするには相当な時間がかかるだろう”と語った。