ホテルに戻り僕たちはパク先生と会った。「皆さんにを見つけられて幸いです。」彼女は切羽詰まったように説明した。「祝賀行事が嵐閧謔閧熨≠ｭ始まります。バスがまもなく発車します。どこにおられたのですか‥？」

僕たちはバスに乗って大同江のヤンカク島にある平壌国際映画会館に向かった。朝鮮人民軍の女性音楽隊が僕たちを歓迎した。彼女らを先頭に映画館に向かって行軍した。僕たちの両側にはチマチョゴリを着た数千人の少女が扇子を持って踊っていた。
ある少女は太鼓、また別の少女はドラムを打っていた。この全てが少人数の外国人のために行われた歓迎であった。この行事に一般人は参加しなかった。入口の階段に到着すると制服を着た少年と少女の歓迎を受けた。彼らは僕たちに英語と韓国語で挨拶をし、花束を贈呈した。そして僕たちは建物に入った。

大部分の観客は既に席に座っていた。劇場は約200席程度だった。そしてショーが始まった。クラシックオーケストラの演奏とともに映画祭の成功を祝う映画が上映された。映画とともに女性アナウンサーの案内放送があった。北朝鮮女性の放送時の声はスポーツアナウンサーと巫女が呪文を唱える時の声が混ざったような妙な声であった。このような声は、北朝鮮のドキュメンタリーや金日成広場で鳴り響く民間放送でも聞こえてくる声だ。この妙な声で共和国の業績を称賛するのである。僕は画面でニコラスを見つけたのだが、彼はやはりいつものようにカメラを回していた。

短い演説があった後、有名人が舞台で紹介された。エジプトの文化部長官はその中一人であった。いったい彼がここで何をしているのだろう? 映画狂であり製作者の金正日は見あたらなかった。彼は自身の映画祭にも参加しないのだ! そしてイランの映画監督が最後に演説をした。彼は両手をあげて演説文を読んだが、肉眼で見ても彼の手はとても震えていた。不満でいらだっているようだった。後から聞いた話によれば、演説文も彼が作成したのではないという。北朝鮮が演説文を作成し、彼に読む様に強要したとのことだ。

僕たちはおまけのような役割を終えバスに乗った。次の公式行事を行わなければならないからだ。それは有名な玉流館、北朝鮮最高の食堂と奄ｳれている平壌冷麺の本拠地である。僕は最高の冷麺を期待して興奮した。

中央ホールで食事をした。北朝鮮の文化賞に関する短い演説を聞いた後、僕たちは指定された座席に座った。アリス、チェ先生、ソク同士と他の役員らが大きな円卓を囲んで座った。席がとても広く話すことすら大変だった。役員の1人は自身が映画祭を総監督したと紹介し、後の2人は沈黙したままであった。外国人と案内員同士、ただ雑談が行き来しただけで特に変わったことはなかった。ただ、ケイマンが誰かと毛沢東の服装に対して詳細に論争したり、党の公式洋服職人の住所まで得ようとした。

玉流館はまあまあだった。ただ、昨年に食べた時よりはるかに味は良くなく、韓国、日本、ベルリンの韓国食堂よりもまずかった。韓国料理には薬味が多く入ってるものだと思っていたが、この食堂は薬味がさほど入っていなかったのだ。ひょっとして経済が悪くなったためなのか? 文化部長官らが食べる食べ物にさえ充分に薬味を効かせることができない程なのか? 昨年に平壌に行き、その後日本に行った際に僕は北朝鮮の食べ物を称賛した。そして、いよいよ冷麺が到着した。冷麺はおいしかった。韓国の記者は正しかった。彼らは金大中と金正日の首脳会談の内容が何だったのかよりも玉流館の冷麺に対する称賛を述べ、記事を書いたのだ。