中国と北朝鮮の貿易の7割が経由すると言われている中国遼寧省の国境都市・丹東は、国際社会の対北朝鮮制裁により、深刻な打撃を受けている。

過去2年にわたって丹東の定点観測を続けているCNNのマット・リバーズ記者は、北朝鮮のバイヤーや運送業者などで賑わっていた丹東の問屋街が、今年に入ってからほぼ無人状態と化したと報じた。

一方でデイリーNKは、丹東に駐在する北朝鮮の貿易関係者A氏とのインタビューに成功した。A氏は「今までそこそこ儲かっていた密輸も苦しくなった。列車で家電を運んでいるが、少量にすぎない」と苦しい現状を語った。以下はインタビュー全文。

ー中国は対北朝鮮制裁決議を積極的に実行しているか?

「どういうわけか、中国の税関は(北朝鮮に)入る物資をストップさせたり、輸出を禁止したりすることが増えている。いちいち覚えられないほど制裁項目が多すぎる。対象でない品目を探す方が難しいほどだ。制裁に同調した中国は、われわれ(北朝鮮)を苦しめようとしているのではないか」

ー国際列車を使った密輸が横行しているという話があるが?

「厳しくなった(陸路の)税関を避けて、相対的にゆるい(鉄道の)税関から、小さな自動車部品、電気部品を『担ぎ屋』の形で北朝鮮に輸出している。しかし、少量しか持ち込めないため、あまり儲からない」

「トラックを使った貿易が大幅に減った。かつては1日に100台近くのトラックが税関を通過していたが、今ではせいぜい30〜40台だ。車の数だけで考えると、貿易は半分以下になったということになる」

ーそれでは密輸も苦しくなったのでは?

「当然だ。以前は丹東郊外、鴨緑江(アムロクカン)の河口にある東港市で密輸が活発に行われていたが、中国が徹底的に監視を行うようになり、コストが跳ね上がった。そのため(北朝鮮からの)密輸品を買い求める中国人が減った。わが国の密輸業者は苦しい状況にある」

「以前なら、北朝鮮の薬草、骨董品、海産物を中国に持ち込めば、少なくとも2万元(約34万5000円)の儲けになっていた。それも今では難しくなった。売る人も買う人もいなくなりつつあるからだ」

ー中国が(北朝鮮から)自国企業を撤収させるそうだが?

「それについてはよくわからない。もしそうなればわが国のダメージは大きいだろう。(丹東と鴨緑江を挟んで向かい合う)新義州(シニジュ)には中朝合弁企業が数多く存在する。(北朝鮮の人が)そこで働けば1ヶ月に200元(約3400円)から500元(約8600円)の稼ぎになる。祖国では大金だ。中国企業が撤収すれば、収入が途絶えて苦しむ人が増えるのではないか」

中国商務省は昨年9月、国連安全保障理事会の制裁決議2375号の採択(9月12日)から120日以内に北朝鮮企業と合弁企業を閉鎖せよと通告している。

それに対して北朝鮮は逆ギレとも取れる対応を行っている。中国で活動している貿易機関に対して今月23日までに撤退するよう指示を下したのだ。

逆ギレはそればかりでない。当局は国内での中国製品の販売を禁止し、市場での取り締まりを行っている。デイリーNK内部情報筋によると、中国から商品が入荷しなくなったため、市内の商店の3〜4割が閉店に追い込まれた。

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