北朝鮮の「酔っ払い」が引き起こす戦争の危機

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北朝鮮と韓国は2015年8月、軍事境界線をはさむ非武装地帯(DMZ)でのトラブルから、戦争寸前まで行ったことがある。きっかけは、北朝鮮側が仕掛けた対人地雷により、韓国軍兵士が身体の一部を吹き飛ばされ重傷を負ったことだったが、その背景にはこのエリアにおける「兵士脱北」問題があった。

DMZでは近年、北朝鮮兵士が徒歩で南側に入り、亡命するなどの出来事が相次いでいる。兵士らが飢えや虐待に苦しむ北朝鮮軍の軍紀びん乱は周知のとおりだが、韓国軍の警備に欠陥があるのも明らかだった。

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DMZに入り込む北朝鮮兵士に対し、韓国軍は必要なら発砲するなりして警告せねばならない。そのようなリスクがあれば、北朝鮮兵士が最前線で脱北するのは簡単ではなかったろう。ところが韓国軍では、亡命兵士が見張り所に近づき、ドアをノックするまで気付かないといった事態が起きていたのだ。

これには、北朝鮮側もしびれを切らしたもようだ。