最近の東アジア情勢の変化の兆しは金正日が訪中し中国胡錦濤主席と首脳会談をしたのが契機だ。
しかし、メディア各社では訪中初日から「中国指導部からの3代世襲の容認が目的」との記事があふれ、キム・ジョンウンの同行が大きい関心事であった。勿論、充分に関心を持つに値する要素ではらる。
今回の非公式中国訪問という事件の本質と核心、現象と周辺を切り離してみると、金正日の金日成遺跡訪問とキム・ジョンウン同行は核心ではない。
金日成遺跡訪問は、あくまでも中国での出来事だ。これは北朝鮮内部を狙った動きではなく、中朝関係を狙った動きである。後継問題よりは中国の指導部に対し『中朝血盟関係』をアピールする目的であろう。
これは金正日の行動を通じて中国指導部に対し、中国の周辺国家ではなく『中朝の特別性』を強調したかったのだ。これが東北3省を訪問した核心と本質だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金正日の「朝-中の親善のバトンを後代に(後略)」発言は、3代世襲だけを狙ったのでなく、中朝の特別な関係は後世にも永劫と受け継がれなければならず、キム・ジョンウン後継世襲も一つお願いしますという意味だ。キム・ジョンウン3代世襲は、中朝関係の大きな枠組みの一部なだけだ。したがって、これは現象と周辺に該当する。
二番目、金正日が北京という中国の首都を選ばず東北3省を選択した背景には、米国に向け仲良く身内で話をするというメッセージが隠れている。
金正日のこの行動は、2000年6.15首脳会談当時、順安空港におりた金大中元大統領を自身の乗用車に乗せ百花園招待所に向かう際に、米国に向け「我ら民族同士で話す」というサインを送ったのと酷似している。特に、平壌に滞在してたカーター元大統領を冷遇し訪中した事実からも米国に不快感を与え、北朝鮮問題を介して米中葛藤を増幅させようとする金正日の戦術であり、小ざかしい外交テクニックである。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮が天安艦を攻撃し米中%?kが関係している西海を紛争水域化し、朝鮮半島を取り巻く米中の軍事緊張を高める事で朝鮮半島の平和協定締結を強制する環境と条件を作り出そうとする戦術であり、今回の東北3省訪問と胡錦濤との仲間内首脳会談は、対米戦略の一環であると言える。
それなら中国はこのような策略を知らないのだろうか?恐らく十分分かっているだろう。しかし、天安艦事態意向の米中葛藤によって中国の指導部は対米戦略の一部として北の必要性が再確認できたと考え、金正日が中国の代わりに動き回る事は国益に適うと考えたのであろう。
金正日としては、天安艦事件以降の米韓連合訓練、中国の軍事訓練などは、朝鮮半島の緊張を高めるので思うツボであろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面次に今回の訪中目的は大きく2つに別ける事が出来る。
最初に、中国への支援要請。核心は食糧支援、対北投資など経済支援と変わりない外交的な支援だ。金正日が後継体制での中国への支持要請は、この2つだと言える。
二番目、金正日は中朝が力を合わせて米韓に対応しなければなければならないと主張しただろう。これに加え6者会談の再開を主張し、天安艦局面を覆す事で東アジア平和をモードに切り替えるもくろみだ。そして6者会談再開が議論され始めれば、北朝鮮は米-朝主導の平和協定の雰囲気作りを行なうだろう。
しかし、今回の中朝首脳会談で注目しなければならないことは、6者会談再開、長吉図開発先導区の推進および北朝鮮支援などではなく、金正日が水面下で行なった要求が何かが問題だ。
一部では、後継体制を迎えて北朝鮮の開放と中国の経済支援を主張しているが、これは希望事項なだけであって、金正日の関心は依然として軍事分野だと考える。戦闘機の支援などを要請した推測する。
また、米艦が引き続き西海で合同軍事訓練を続け挑発を行なう場合に、韓国に対し強力な打撃を与える事があっても知らん振りして欲しいと要請した可能性も有り得る。
金正日は再び朝鮮半島で緊張を高め、これをバックに制裁の解除や米韓の譲歩を勝ち取ろうとするだろう。G20開催を控え我々は警戒を高める必要がある。もし、金正日がG20と関連して攻撃やテロを行なう兆しがあれば、これをチャンスとして金正日政権を無力化する決定打を準備しなければならない。