北朝鮮の朝鮮中央通信は14日、韓国が9日の高位級会談を皮切りに南北対話に取り組みながらも、米国などと歩調を合わせ「独自の制裁緩和は考えない」などと表明していることに対し、「対話に水を差す不純な行為を傍観しない」と警告する論評を配信した。

「南朝鮮当局は錯覚してはならない」と題された論評は、韓国の文在寅大統領が新年の記者会見(10日)で、「南北関係の改善に向けた北との対話を通じ、北が非核化のための対話に臨むよう誘導すべきだ」などと述べたことについて、「無礼で愚昧である」などとして問題視。

対話においては相互の信頼が重要であると指摘しつつ「冬季五輪参加に関連して、南朝鮮当局が願う全てのことを解決してやる方向で高位級会談まで実現させて努力の限りを尽くした」として、自国の取り組みを自賛した。

そのうえで「冬季五輪に参加するわが代表団を乗せた列車やバスもまだ平壌にあるということを知るべき」として、平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加撤回もあり得ることを示唆。

続いて「誰かが飯を炊いて口に入れてくれるという荒唐無稽な考えは、初めから捨てよ」と述べ、国際協調を廃した対北関係改善の具体的行動を要求した。

論評の全文は次のとおり。

南朝鮮当局は錯覚してはならない

【平壌1月14日発朝鮮中央通信】われわれのおおらかな雅量と主動的な措置によってもたらされた北南和解の劇的な雰囲気は、南朝鮮の各階層と全同胞の胸を興奮させている。

国際社会も北と南の努力を肯定的に評しながら、朝鮮半島情勢緩和の流れが続くことを期待している。

このような時、南朝鮮では和解の局面に水を差す不穏当な妄言が吐かれて人々を唖然 (あぜん)とさせ、失望させている。

先日、新年の記者会見で南朝鮮当局者が言った言葉がまさにそうである。

南朝鮮当局者は、南北間の対話が始まったのは米国が主導する制裁・圧迫の効果だと言える、トランプ大統領の功がとても大きい、感謝を表したいととんでもないたわごとを並べ立てたかとすれば、北を対話に誘導したのは南北関係改善のためではなく、「北の非核化」のための対話の章をもたらすためのことであるという間抜けな詭弁(きべん)もためらわずに吐いた。

そして、北と幼弱に対話だけを追求しない、対話が始まったといって「北の核問題」が解決されたのではない、国際社会の制裁に歩調を合わせていくであろうし、独自的に制裁を緩和する考えはない、北との関係改善は「北の核問題」の解決と共に行かざるを得ないという腹黒い下心をさらけ出した。

言いふらす「北の核問題」の解決とは事実上、「北の核廃棄」の変種にすぎない。

はては、会談のための会談が目標であるはずがない、首脳会談も与件が作り出され、結果物があってこそ行えるという理に合わない無知なことまで言った。

それこそ、とげのある陰険な悪態一色だと言わざるを得ない。

いくら上司の顔色を見るべき哀れな境遇であっても、対話の相手を前にしてこんなにまで無礼で愚昧であるかということである。

最近、米国が北南対話について見かけでは「支持」だの、「歓迎」だのと言いながらも、内心はあわてふためいて「北の核廃棄」に役立たない南北関係の改善は意味がないと言いふらし、南朝鮮当局を圧迫しているということは周知の事実である。

南朝鮮当局者の新年の記者会見の発言が、上司の不便なこの心気を意識したお粗末な機嫌取りだということは言うまでもない。

内・外信が南朝鮮当局の態度は米国の気分状態を推察できるようにする風向計だと嘲笑(ちょうしょう)するのは、決して理由なきことではない。

善意には善意で、真心には真心で対するのが人間の道義である。

最悪の対決局面状態でようやく和解と関係改善の火種を生かし始めた北南当局間にはなおさらそうである。

南朝鮮当局者の態度を見れば、果たして誰が北南関係を改善して信頼を築こうという考えがいささかでもあると考えるかということである。

むしろ、何かの成果があってこそ会談も行えるということに対して、おそらく「大統領」であるというあの人はご飯も炊かずにご飯を食べる考えだけをすると言うべきであろう。

会談をしてこそ共同声明も発表され、共同報道文も作成されるし、意を合わせた合意書も発表することができるということは一つの常識である。

誰をとわず会談も始める前に成果から考え、結果物が与えられることを願うあの人が、「大統領」が確かであるかと異口同音に言っている。

北南関係の改善のために対座し始めたこの場で、自分の体面から重視すべきか、でなければ民族のために作り出す結果物を重視すべきか。

よい結果を作り出すには真摯(しんし)な姿勢で対座して努力すべきであって、初めから結果物があってこそ会えると言いふらしているのだから、常識外だと言わざるを得ない。

このような相手に対していかに北南関係を解決していく姿勢が正しく立っていると言えるか。

恥も知らずに北南対話という結果がまるで自分ら主導の国際的制裁・圧迫のために成されたものであるかのように言いふらすトランプに、事実がそうだと感謝まで表しながら北南会談を「北の核廃棄」のための朝米会談につながせるとせん越にへつらう南朝鮮当局者の卑屈な行為はなおさら見るに耐えないものである。

これは、南朝鮮当局がわれわれの冬季オリンピックの参加を実現させてみようとやっきになっていることも結局、北南関係の改善問題を超越して「北の核廃棄」を実現することを見通してわれわれを誘導してみようとする陰険な企図をそのままさらけ出したこととしかほかには見られない。

われわれは、全民族の切々たる期待と念願に即して心から北南関係を改善する意志を持ってたとえ数日しかならない期間であるが冬季オリンピック参加に関連して、南朝鮮当局が願う全てのことを解決してやる方向で高位級会談まで実現させて努力の限りを尽くした。

今は、北南関係を改善し、信頼を築いていく初の工程としてこれを大切に見なしてこそ当然であろう。

そして、始めを立派に飾り、互いに信頼を築きながらよい感情を持てるように相互尊重する原則に基づいて可能なことから一つ一つ解決するための努力を傾ける考えをすべきである。

しかし、南朝鮮当局は歯も出ていない状態でトウモロコシを食べるというふうに無謀に振る舞いながら悪巧みをしている。

北南対話をいわゆる自分らの制裁・圧迫の結果に、自分らが誘導した「成果」として世論を流して治績宣伝に狂奔したあげく、米国との合同軍事演習を延期すると発表しては北と南が対座して平和の章を開く冬季オリンピックに時を合わせて南朝鮮とその周辺の水域に米国の原子力空母打撃団をはじめ戦略資産を引き入れて情勢を故意的に激化させる行為もためらっていない。

一体、このような軍事的妄動はなぜ振る舞い、その真の意図が何であるかということである。

われわれが真情と雅量を持って自分らの要求を全て受け入れたので、よろよろ顔色をうかがっていた南朝鮮当局が今や頭をもたげて、それこそごう慢に振る舞っている。

これは、南朝鮮当局が民族の利益と要求は眼中になく、冬季オリンピックと北南関係改善の貴重な芽をいけにえにしてでも上司の機嫌を取って権力だけを維持すればいいのだと見なす親米事大集団であることをそのまま示している。

南朝鮮当局者は、錯覚してはならない。

われわれは今後も、北南関係の改善のために極力努力するが、それに水を差す不純な行為に対しては決して傍観しないであろう。

今は、全てが始めにすぎない。

冬季オリンピックに参加するわが代表団を乗せた列車やバスもまだ平壌にあるということを知らなければならない。

誰かがご飯を炊いて口に入れてくれるという荒唐無稽(こうとうむけい)な考えは、初めから捨てなければならない。

ご飯を食べるには、自分の手でご飯を炊かなければならない。

南朝鮮当局は自分らの上品でない行動がどんな忌まわしい結果をもたらすかについて熟考する方がよかろう。---

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