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残りの滞在時間はショッピングをした。ただ、普通の商店でなく観光客用の商店でだったが、僕たちは朝鮮の民芸品を売る商店に行った。

商店は本当にだれもが想像できるような、最悪の共産主義商品でいっぱいだった。刺繍で作られたモナリザを見てニコラスと僕はひどい冗談を言って笑っていた。

キム先生が近づいてきて「何かあったのですか?」と尋ねた。彼は心配そうな表情で刺繍にあるヨーロッパ人の顔を見つめた。「誰ですかね?」彼が尋ねた。「モナリザですよ。世界的に多分最も有名な絵でしょう。ご存じないですか?」「分からないですね…」次に僕たちは切手店に向かった。多分熱心な切手収集家ならそこでお金を使う価値は十分にあるだろう。北朝鮮の切手は外国人の切手収集家にとっては興味の対象だろう。ルフトハンザ航空25周年、ベンツ創立記念日などの切手があった。

僕たちはデパートのようなところにも行った。そこでは僕たちが唯一の客だったようだ。ニコラスはニューヨークスタイルの冷蔵庫に詰め込まれた中国製のオレンジジュースを買いたがった。しかしそこで問題が生じた。「垂オ訳ありません。ジュースを売ることができません」「なぜだめなのでしょう?」と販売員との間で話が進む中で、結局説明をしてくれた。「その商品は今まさに輸入されたばかりで、まだ価格が決められていないのです」

そうか、販売用でなく装飾用だったのか。「それではビールはどうですか?」販売員が尋ねた。そしてニコラスは中国製のヤンジンビールを買ったが、一人で飲むつもりはなかった。彼はビールグラスをくれと言った。何の問題なく彼らは僕たちにコニャック用のグラスを渡した。多分これも販売用だろう。僕たちは案内員とコニャック杯にビールを注ぎ飲んだ。

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僕たちは映画輸出公司のバンに乗って空港に向かった。ニコラスはずっと窓の外を撮っていた。特に問題はなかったようだ。国賓らが平壌を行き来する際に使う道は、やはりよく整備されていた。この道を通過中に、エンジンが故障したと思われる一台のバスが目の前に入った。50人ぐらいの人々が丘の上へとバスを押していた。チェ先生はニコラスのカメラを遮って、「何も見るようなものはないですよ」と言った。

空港はごった返していた。誰もがこの国を離れようと騒々しい様子だった。行きの飛行機で見かけた見覚えのある人々が、次々と北朝鮮をあとにした。彼らも僕たちと同じく8日間のビザを受けたようだ。カバンを預けて2階に上がった。北朝鮮ではどこでも喫煙可能なのだが、空港だけは禁煙だ。

僕はタバコが吸えるな小さい酒場を探していた。その時ガラスドアを通して見えたのだが、ソク同志がニコラスに最後の一声をかけているところだった。彼らに近付いて僕はソク同志の最後の話だけを聞くことができた。「ニコラス先生、覚えておきなさい。私にはスイスにも目があるということを」

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そしてついに僕たちは北京空港に到着した。これはもう本当に祝杯でもあげなくてはならない気分だ! 僕は空港のドアを出るやいなやカバンの中にあった中国のビールを出して飲んだ。自由を満喫しながらだ! ソク同志はもう漫画の主人公のようにつまらない人物に感じられた。

その日僕はかなり遅い時間に都心から中国の貿易センターのインターネットカフェまで歩いて行った。非常に長い距離であった。だが、本当に気分が良かった。もういつどこで何を食べるのか自由に決定できるし、どこでも思いのままに行くことができるのだ。そして誰にも邪魔されないでだ!