最近の北朝鮮地域の豪雨被害と関連し、北朝鮮当局の行き当たりばったりの対策による慢性的な人災だとの指摘が出ている。90年代の食糧難の時期に最小でも35%以上が毀損されたと推定される山林資源の復旧が後れているだけでなく、河川の浚渫(しゅんせつ)、堤防管理、上下水道の整備、洪水藍?などの水害事業が計画性が全く無い状態で展開している。
北朝鮮が毎年水害に遭っている原因は、まず治山治水事業を展開する機材・資材不足が挙げられる。また、住民動員式の建設事業が慣行的に行なわれている慣行により、人力を全面的に頼る形式的な補強措置だけが行なわれている点も大きな問題点だ。
北朝鮮の国土事情に精通した脱北者A氏は「6月末から7月初めの梅雨の時期には、水害事業を行なっているが財政不足で根本的な事業を出来ずにいる」と話した。
堤防を築くセメントや石が不足、運搬する車両や燃料も無いため、人力でシャベルとツルハシを使って堤防に土を積む保守工事を行なっている。
「国土管理課の幹部は、堤防の外観だけが立派ならば中央の指示を成しとげたと上部に報告する。堤防の復旧に動員される住民は『やっても無意味な工事をやらされている』と不満を述べている」と付け加えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の『都市建設隊』の事情に詳しい脱北者B氏も「北朝鮮の堤防と上下水道設備の大部分が、日本が作ったものだ。中央の投資が不足し、補修・運営もままならない」と話した。
実例として咸鏡北道清津の場合、上下水道設備の60%程度が1930年代に作られたと言われている。
また脱北者C氏は「北朝鮮の水害は、ほとんどが土砂崩れから始まる。堤防工事、川底の浚渫(しゅんせつ)などの河川管理事業よりも山林造成事業が至急だ」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「90年代後半に北朝鮮当局は、住民に山の木を切り開き菜園を開墾するよう指示した。山林資源を中国に輸出する為に無分別に伐木を行なった。北朝鮮の山林法には『一株を伐採すれば、所狽ソ連えなければならない』という規定があるが、山林監視員らがまともに確認しないでいる」と説明した。
北朝鮮の水害問題にの根本的な解決策は、山林の復旧だと言うのが専門家の共通した指摘だ。
ミョン・スジョン韓国環境政策評価研究員(KEI)責任研究員は、昨年『北朝鮮の自然災害の脆弱地図』で「北朝鮮は土壌流失がさらに広がらない様に山林の生態系の復元を急ぐべきで、山林の復元の際には山林農業との連係を検討しなければならない」と提案した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面脱北者らは北朝鮮当局が『平壌10万戸建設』などの体制宣伝用の建設事業を中断し、山林資源の復旧及び水害事業などの人民生活分野に資源を投じるべきだと指摘した。
『水害発生→人命被害発生→外部への援助要請』の悪循環を断ち切るためには、北朝鮮当局の政策転換が必要だ。