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僕はバーへ戻った。バーはすでに灯りが消えていたが、夜に祝うことがあるかもしれないため、酒を少しだけ買った。彼が帰ってくるかもしれないからだ。

映画輸出入社の人々が僕たちのホテルの部屋にビデオを設置してくれ、夕食後にも『朝鮮映画祭』を進行することができた。しかし、彼らがくれたテープには残念なことに字幕がなかった。映画は退屈だった。僕は早送りしたりして、時にはテレビニュースでも見ようかと思いチャネルをあちこち回して見た。しかし、テレビの画面には常にマラャ棟ュ女だけ出てきて、疲れも見せずに彼女は毎日走っていた。

そこにノックの音が聞こえた。「私です。ニコラス」ドアをあけるとすぐに明るく笑っているニコラスがいた。「それで、トク同志との話はどうでしたか?」「特に大した話はなかったんですよ。ソク同志はただお金の話をしたんですよ。彼は準備した契約書を見せ、ヨーロッパでドキュメンタリーを売ってくれと言ってきました。とても高い価格でね。そんなことしたら私に入るお金なんてないですよ。」「で、契約しましたか?」「もちろんしなかったですよ。ただ、ここから出て行こうとするなら何でもしなければならないのだが‥・スパイ問題がまだ解決されていないようなので‥・」

毎朝、僕たちはペク先生、ソク同志などの案内員たちと集まった。朝鮮映画輸出入社の事務室でコーヒーを飲んで話を交わすという形だった。今日もいつものように軽く簡単な話から始まった。その時、ソク同志が突然話題を変えた。「ニコラス先生、私は先生が到着した初日から先生がホテル周辺で写真を撮って回るのを見ました。一体何を撮ったのですか?そこには特別撮るようなものもないでしょう? 何を撮りましたか?」

ニコラスが問い直した。「それの何が問題なのでしょう?」「あなたもご存知のように、ここは平壌の最高ホテルでもなく、後にある庭園もそれほど美しくもないでしょう。別に特別なものはないただの裏庭でしょう。それなのになぜ撮ったのですか?」「そのままの雰囲気を記憶するつもりですよ。自分の家に帰ってもここで過ごした感覚を忘れないようにするために。」

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「本当ですか? 先生は一人でたくさん歩き回りましたね。いつもカメラを持って。何をしましたか?」「ただ写真を撮りながらあちこち歩いていただけですよ」「写真? 一体何に使うつもりですか?」「ただ自分のためにです。」「先生、先生もご存知のようにこの国の外では私たち共和国の敵がうようよしています。彼らは私たち祖国の姿を悪く撮って、南朝鮮の雑誌に売ってしまうのだと言います。先生もホテルの裏庭などのあまり良くない姿を撮りましたよね。」

「いや、それは違います。 良くても悪くても、私には関係がありません。私はただ人々が生きる姿を撮りたいだけなのです」「でも、何に使うつもりですか?」「私自身のためにですよ」「私は先生を信じられないです。先生が撮った写真とビデオを見てもかまわないでしょうか?」「もちろんです。 ですが、あなたは私たちがこの国で思う存分歩き回ってもかまわないと先に話しましたよね? 一体何が問題なのでしょう?」この瞬間、遠くのャtァで仏のように笑みを浮かべていたペク先生が一言発言した。「もちろん自由に歩き回っても良いが、私たちはあなたが何をするのか見守らなければなりません。あなたが失敗を犯さないようにという意味です」「失敗? 失敗とは何ですか?」ニコラスが尋ねた。

しかし、その質問に返事はなかった。話はそれで終わってしまった。「ニコラス先生、あなたは4月文化祝祭のスイス代表団の代表であり、金メダルを獲得しましたよね」と、ペク先生がまた話を始めた。「はい、テレビにもたくさん出ましたよ。ところでなぜ今回は私を信じないのですか?」ペク先生はまたこの話は無視して、「私たちはあなたの国が来年の4月文化祝祭にも代表団を派遣されるように願います。私たちは国際大会で少なくとも一度だけでも金メダルを獲得した経験のあるャ関フルート演奏者が必要です。私たちはスイスの音楽教授が演奏する事を望んでいます。名前は失念しましたが」と言った。

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ぺク先生はさらにニコラスに要求した。「先生がこの人を説得できますか?」「そうですね。努力はしてみます。まずは名簿を下さい」と、ニコラスがめずらしく声低く答えた。