人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

8月3日、『朝鮮高校』に対する無償化が適用されるとの報道が流れた。『朝鮮高校無償化問題』については朝鮮学校と朝鮮総連は最重要課題として4月より全国の支部で展開してきた。とりわけ今回の無償化については日本人の教育関係者や法曹関係者を巻き込んで『子どもの学ぶ権利』という大義名分を全面に出し、時には学生を全面に出しながら『無償化運動』を展開してきた。

同時に朝鮮学校の教育内容が『国税を投入するに値するのか』という問題も提起される。3月にNGO『救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)』が文科省の記者会見を通じて、実際に使用されている教科書を元に教科書の問題点を指摘。6月には「帰国者の生命と人権を守る会」の萩原遼氏が高級学校の教科書を完全翻訳して発刊しその教育内容を明らかにした。

こうした議論の中で4月からの適用は一端除外となるが8月3日付けの報道によると有識者による検討チームは朝鮮学校の視察を行い、会合を重ねた結果、『日本の高校に類する教育課程』にあたると判断したという。しかし実際、教育内容についての議論がどれほど進んだのか具体的にはまったく明らかになっていないこの段階での決定は、あまりにも早急すぎると言わざるをえない。

朝鮮学校側は自らの教育を『民族教育』であると主張している。しかし、『現代朝鮮歴史』などの教科書によると、日本向けに修正はしてあるものの基本的には北朝鮮の主張を骨格にした教育内容だ。事実、同学校では『我々は朝鮮民主主義人民共和国の公民である』という立場から同学校の教育を『北朝鮮の公民教育』と位置づけ日本のみならず、東北アジア全体に脅威を及ぼしている北朝鮮の正当性を主張している。

具体的には、先月7月下旬に来日した金賢姫元工作員が実行犯である大韓航空機爆破事件、また過去のラングーン事件を日・米・韓の謀略だと明記。今年3月に起きた『天安艦事件』については現在のおいて教科書内での言及はないものの、総連主導の課外授業等で米・韓による『捏造』と明記してある。そして、朝鮮学校側がこういった教科書の内容を自ら明らかにしようとしていないのがなによりも問題だ。阜?ォには『思想教育』はしていないというが、上記の例を挙げるまでもなく課外授業等でも北朝鮮賛美の教育は現在も行っている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

もちろん『子どもの学ぶ権利』は奪われてはならないのは当然だが、偏向した思想教育を学ぶ事もある意味では子どもにとって悲劇である。また、朝鮮学校に通わせている保護者からも思想教育に対する抵抗感は少なからずある。朝鮮学校に通う生徒が減少しているのは、保護者の思想教育に対する『声なき拒否』の表れと言っても間違いない。

今回、『無償化』が適用されるとそういった保護者の『声なき拒否』までが結果的に抹殺され、北朝鮮になんらかの変革が起きない限り、朝鮮学校が自主的に自立する機会が奪われてしまいかねない恐れがある。

さらに現在の朝鮮学校には教育内容に関する問題と同時にもうひとつ大きな問題がある。それは『教員免許』の問題だ。日本の学校で教育に携わる場合、原則的に『教員免許』を必要とする。しかし、朝鮮学校の教員はごく希なケースを除いてほぼ全て朝鮮大学卒業生で占められている。つまり、日本の教職課程を学ばず『教員免許』を保持していない。朝鮮大学での教育内容についてほとんど明らかになっていないが、小中高と比較にならないぐらい『思想教育』に重点が置かれていることは総連関係者も認めている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

『無免許』でなおかつ思想的に偏向した教育が果たして『日本の高校に類する教育課程』なのか。この問題は今一度じっくり考えるなおしてからでも決して遅くはない。(続く)