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8月5日に、キム・マンボク国情院長と、労働党の統一戦線部のキム・ヤンゴン部長の間でなされた合意によって、第2回南北首脳会談を8月28日から30日まで、平壌で開くことにしたと、南北の政府が公式発表した。

盧武鉉大統領の任期満了前に、首脳会談が実現する可能性が高いということは、多くの専門家が予測したことだが、今年の初めまで北朝鮮の核問題とBDA問題で、朝鮮半島周辺の情勢はよくなく、2.13合意以後も、BDA問題がきちんと解決されずに、多くの時間をむだ使いし、盧大統領の脱党、与党の連鎖脱党、新党結成など、国内の情勢が非常に複雑であるうえ、任期末までの絶対的な時間が不足して、最近は南北首脳会談は現実的に困難だろうという予測が多かった。

だが、他の人々の予測とは反対に、ひいては意浮?ツく行動で快感を得る金正日の普段のスタイルどおり、電撃的に南北首脳会談が提案された後、2~3日後には合意を導き出し、その3日後に発表して、20日後に会談を開くことになった。

南北首脳会談の発表に対して、一部では相当な期待感を見せ、一部では韓国の政局の打開に利用しようとする政略的意図から出たことと評価を切下げ、不快に思っている。現在、大統領選挙を4ヶ月、総選を8ヶ月後に控え、世論調査だけ見れば、現政府と意を共にする、いわゆる汎与党圏というグループは、代表的な野党であるハンナラ党に比べて、圧倒的に不利な状況にあり、雰囲気を反転させることができるきっかけが切実である。南北首脳会談は明らかに、そうしたきっかけになる可能性があるという側面から、現政府が不信の念をいだかれる可能性は高い。

だが、南北関係はそのものがあまりにも重要であるため、韓国の政治日程に利用される可能性があるという側面のために、首脳会談を一方的に評価切下げすることは適切ではない。南北首脳会談が南北関係の発展に必ず必要なのであれば、ある程度、国内の政治への副作用は甘受して行うのが正しい。

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また、金大中前大統領の平壌訪問後、金正日がソウルを訪問することになっているのに、盧武鉉大統領がまた平壌を訪問するのは適切ではないという指摘も、一面当たっている側面もあるが、必ずしも適切な指摘ではない。金正日のソウル公開訪問は警護が極めて困難で、秘密訪問は互いの政治的負担が大きく、金正日の自尊心を傷つけることだから難しい。首脳会談は現実的に、平壌や第3国でしかできないが、第3国でするよりは、かえって平壌で行った方がよいという結論が出る。したがって、首脳会談に関するこうした形式論理は、計算するに値する価値がそれほどあるとは思われない。

南北首脳会談で話さなければならない議題も、山のように積もっている。北朝鮮の核問題は、南北首脳どうし解決することができることではないが、解決するのに大きな助けになる可能性はあり、また朝鮮半島の平和体制の構築、アメリカや日本と北朝鮮の関係正常化の雰囲気の醸成、歩みが遅い南北経済協力の早期発展、離散家族の再会の拡大、拉致被害者送還、南北交流の拡大など、議題は非常に多い。長官級会談も他の会談でも、こうした問題に関する議論をすることはできるが、北朝鮮の特性上、金正日と直接話さなければすべてのことが極めて遅く進み、待ちきれないため、首脳会談がこうした議題を議論するのに非常に効率的で必要だというのも明らかだ。

北 ‘軟着陸支援’ 首脳会談は住民の苦痛を延長

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しかし、これらすべてにもかかわらず、南北首脳会談に拍手を送り難いのは、現政府の根本的な対北戦略が間違っているからだ。

現韓国政府の対北戦略、言い換えれば、太陽政策はすべて、北朝鮮の体制の軟着陸は可能で、北朝鮮体制の軟着陸と正常国家への発展を支援しなければならないという前提に基づいている。北朝鮮の体制の軟着陸が可能なのかは、専門家ごとに意見が異なる問題ではあるが、筆者は北朝鮮の体制の軟着陸の可能性は極めて低く、ほとんど可能性がないと考える。

北朝鮮の体制は金正日の力強い1人鉄拳統治の基盤の上に生き延びているが、もう一方では、金正日の1人鉄拳統治のため、北朝鮮の体制は危機に瀕しており、北朝鮮の体制の発展のためには、これを乗り越えなければならないという根本的なジレンマに陷っている。中国の毛沢東も、晩年に共産党を踏み付けて、その上に君臨することはしたが、それは10年程度に過ぎなかった。したがって、毛沢東が死んだ時、相変らず権威があった共産党と党の幹部たちがいて、彼らを中心に体制を維持して発展させることができた。

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しかし、北朝鮮の金日成、金正日が労働党を踏み付けて、その上に君臨してから40年の期間が経った。その間、労働党のシステムや権威は失墜した。金正日が死んだ後、軍事力を持った人々が、労働党の多数決に無条件に従わなければならないという意識を持っているのかは極めて疑わしい。後継者がその前に決まっても、金正日の息子の一人がなる後継者が、どの程度の指導力を持つのかも、やはり疑わしい。たとえ一時的に混乱をある程度おさめても、中長期的に堪えるのはほとんど不可能だ。

今、北朝鮮は金正日の力強い権力を除き、社会全般が深く病んでいる。金正日が死ぬか揺らげば、再び新たに力強い権力を立てることを推進する力がなく、そうした底力があることに誤った判断をして、むりやりに事を推進して、一層早く崩壊する可能性が高い。

北朝鮮の金正日体制の崩壊は、北朝鮮の住民にも隣国にも、一定期間、相当な苦痛を与えるはずであり、これを避けることができたら避けようとする態度は、一見理解できる。しかし、金正日がずっと生きていても、あるいはすぐに死んでも、金正日体制の崩壊はほとんど必至で、避けたくても避けることができるものではない。どんな政策も、現実に基づいて冷情に検討したものでなければならず、主観的な希望に基づいて作ってはならない。

対北戦略は、一日でも早く金正日政権を崩壊させるものでなければならない。その過程で経験する苦痛は、他の戦略を選択するからといって避けることができるものではない。

南北首脳会談が特定の条件で必要かも知れない。しかし、ほとんど不可能な北朝鮮社会の軟着陸を支援することが目的の南北首脳会談は、出発から間違っており、結果的に極端な人権蹂躪に苦しむ北朝鮮の住民の苦痛を延長させるに過ぎない。

北朝鮮の核問題の解決を促すため、朝鮮半島の緊張を緩和するため、拉致被害者問題や離散家族問題など、その他の懸案問題を解決するために、南北首脳会談は必要だが、正確な対北戦略から出発する時のみ、そのすべてが北朝鮮の発展や南北関係の発展に寄与するだろう。