4月20日、北朝鮮から亡命し韓国で暮らす黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記の暗殺を企てた北朝鮮の工作員2人が検挙された。同様の事件は、1997年にもあった。「李韓永(イ・ハニョン)氏暗殺事件」である。韓国当局はこの事件を、北朝鮮の南派工作員による最初の脱北者殺害と見ている。
李氏は、北朝鮮にいたときの本名を李一男(リ・イルナム)という。1960年に平壌で生まれた李氏は、故金正日総書記の2番目の妻・成蕙琳(ソン・ヘリム)氏の姉・成蕙琅(ソン・ヘラン)氏の息子だ。
平壌では、正日氏夫妻や2人の息子・正男(ジョンナム)氏と生活をともにし、金王朝の深奥の秘密に通じていた。
「喜び組」を暴露
同氏はモスクワ留学1期生に選抜され、1978年にモスクワ外国語大学文学部に入学する。フランス語研修のためにスイスのジュネーブに渡るが、1982年、現地の韓国公館を通じて韓国に亡命した。