中国遼寧省の丹東、瀋陽、吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉などに長期滞在し、外貨稼ぎに精を出してきた北朝鮮の貿易駐在員たち。当局から与えられる厳しいノルマをこなす対価として、本国にいるよりは豊かで自由な暮らしを享受してきた。そんな生活を守るべく、違法行為に手を出す向きも少なくなかった。
ところが最近、彼らを取り巻く状況は悪化している。昨年来ほとんどの駐在員がノルマを達成できない状況だというのだ。
某国境都市に住むデイリーNKの対北朝鮮情報筋によると、北朝鮮当局は、あまりの惨状に、駐在員に課すノルマを軽減する措置を取った。無理なノルマを押し付けると、自暴自棄になって脱北などの問題を起こしかねないからだという。軽減はされたが、それでもノルマ達成は難しい状況だと駐在員たちは訴えている。