北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、金正恩総書記が、国防科学院装甲武器研究所による新型主力戦車の能力評価試験を視察したと報じた。視察の日時は不明。試験では、戦車に搭載された能動防護システム(APS)の機能確認が行われ、複数方向からの対戦車攻撃に対する迎撃性能が検証されたとしている。
同通信によると、試験では異なる方向から接近する対戦車手段に対し、防護システムが作動して迎撃に成功したとされ、「防御的機能の完璧さが確認された」と強調した。金正恩氏は、新型戦車について「優れた戦闘手段であることを実際の行動で示した」と評価し、「世界的にも比肩するものはない」と述べたという。公開された写真では、戦車周辺で迎撃弾が炸裂する様子や、上空および側面から接近する目標を捉えたとみられる場面が確認される。北朝鮮は近年、こうした能動防護システムの開発や試験の様子を繰り返し公表しており、装甲戦力の生存性向上を図る取り組みを内外に示す狙いがあるとみられる。
(参考記事:北朝鮮、無人機と新型戦車で「戦場変革」狙う 協同戦術訓練にみる近代化の実像)
一方で、公開情報のみから技術水準や実戦での有効性を判断することは難しい。能動防護システムは一般に、対戦車ミサイルやロケット弾への対処を目的とするが、上方からの攻撃や複数同時攻撃などへの対応には制約も指摘されている。北朝鮮の今回の試験についても、具体的な条件や再現性などは明らかにされておらず、性能評価には慎重な見方が出ている。
北朝鮮は近年、新型兵器体系の開発を相次いで発表しており、今回の試験公開もその一環とみられる。専門家の間では、こうした動きが対外的な抑止力の誇示とともに、国内向けの宣伝的な意味合いも持つとの指摘がある。
