北朝鮮の最大の政治イベントである朝鮮労働党第9回大会が19日、平壌で開幕した。国営の朝鮮中央通信は20日、前日に首都平壌で大会が始まったと伝え、金正恩総書記(国務委員長)が開会演説で経済成果を強調するとともに、「核保有国」としての国家的地位を前面に押し出したと報じた。体制の安定と成果の誇示を通じ、国内の結束を固める狙いがあるとみられる。

党大会は、過去5年間の総括と、今後5年間の内外政策の方向性を示す場と位置づけられている。金総書記は演説で、経済回復や住民生活の改善、地方発展政策、人民経済5カ年計画など、実利を重視した経済政策を強調。「前途に対する楽観と自信に満ちて大会に臨んでいる。これは大きな変化であり、現段階で誇るに足る成果だ」と述べた。

また「国家の地位を不可逆的に強固にすることで、世界政治の構図とわが国に及ぼす影響関係に大きな変化をもたらした」とも語った。この「国家の地位」は核保有国としての立場を指すとみられ、核戦力を背景に外交交渉力と戦略的立場を強化したとの自己評価と受け止められている。

一方で、演説では米国や韓国への直接言及、具体的な核戦力の誇示は避け、経済分野に多くの時間を割いた。金総書記は、5年前の第8回党大会当時を振り返り、「敵対勢力の封鎖と制裁、相次ぐ自然災害と保健危機により、すべての分野の発展が著しく抑制された」と厳しい状況を回顧。その上で「これほど困難な環境を克服し、大きな成果を収めた時期はかつてなかった」と強調した。

大会には金総書記の妹である金与正(キム・ヨジョン)党副部長が執行部に名を連ね、主席団にも着席した。一方、後継者候補として注目される長女の金ジュエ氏の姿は、国営メディアが公開した写真などからは確認されておらず、今後の関連行事への登場の有無が関心を集めている。