北朝鮮で金正恩総書記が若者への統制を一段と強めている。その狙いは、体制の将来を担う世代を改めて引き締め、揺らぎ始めた忠誠心を再確認させることにあるとみられる。

近年、外部情報の流入や市場化の進展により、若者の価値観は確実に変化している。体制への露骨な反抗は少ないものの、不満や倦怠感が静かに広がっているとの指摘は後を絶たない。

こうした状況下で16日、社会主義愛国青年同盟(青年同盟)創立80周年記念大会が開かれた。青年同盟は14歳から30歳までの若者の加入が義務づけられている組織(労働党員を除く)であり、その目的は最高指導者への忠誠心を植え付けることである。金正恩氏は演説で、青年同盟の80年の歴史を称賛し、青年を「革命継承の中核」と位置づけた。さらに、国家最高勲章である金正日勲章を青年同盟に授与し、祖国防衛と国家興隆の先頭に立つよう強く呼びかけた。会場は忠誠の誓いと万歳の歓呼に包まれ、体制への一体感が演出された。

だが、この華やかな舞台は、若者の自発的な熱情というより、指導部の焦燥感を映し出しているようにも見える。金正恩氏は青年同盟を「革命の継承者」「第一の決死隊」と位置づけ、最大級の栄誉を与えることで、党と青年の結束を誇示した。しかし裏を返せば、それほどまでに若者の忠誠を確認しなければならない現実があるということだ。

第9回党大会を控えた時期に、あえて大規模な青年行事を行った点も象徴的だ。青年層の動員力と統制力を内外に示し、体制が揺らいでいないと強調する政治的メッセージにほかならない。金正恩氏にとって青年は、軍事や建設、各種動員事業を支える実働部隊であり、体制維持の要だ。その若者たちを思想的に囲い込み、体制離れを未然に防ごうとする姿勢は、祝賀の陰で透けて見える不安と焦りを物語っている。