北朝鮮国務委員長の金正恩の娘、金ジュエ(主愛)氏が後継者候補としての存在感を強めるにつれ、その容姿や立ち居振る舞いに注目が集まっている。
北朝鮮では、指導者の体格は単なる身体的特徴にとどまらず、政治的象徴として機能してきた。いわゆる「白頭血統」の威厳と直結する要素と認識されているためだ。金日成・金正日時代から、金氏一族は恰幅が良く威圧的なイメージを強調してきたとされ、金正恩氏自身も意図的に体重を増やしたと北朝鮮内部では語られてきた。
こうした文脈の中で、金正恩氏の実娘である金ジュエ氏も後継者としての演出が強まるにつれ、その容姿や振る舞いが注視されている。12~13歳と推定されるジュエ氏は、昨年9月に中国・北京を訪れた際には、父親より明らかに背が低く、まだ幼さの残る印象だった。しかし、約3か月後の11月下旬、北朝鮮空軍の創立記念行事に姿を現した彼女は、背格好や雰囲気が一変し、急激に大人びた様子を見せていた。
短期間での著しい変化を受け、韓国の独立系メディアサンドタイムズは「指導者の風格」を備えさせる目的で、人工的な食事管理や医学的措置が施されている可能性を指摘している。また、ジュエ氏が定期的に公の場から姿を消す「空白期間」には、金氏一族専用の医療機関でいわゆる「成長ケア」が実施されている可能性もあるという。
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この影響は北朝鮮社会にも波及している。富裕層を中心に「金ジュエのように育てるには栄養が重要だ」という認識が広まり、韓国製ビタミン栄養剤が高騰。中国製に偽装して密輸するケースも相次いでいるとされる。
金正恩氏が体制維持を目的として、まだ13歳にすぎない少女に医療的措置を施し、「指導者にふさわしい容姿」を作り上げているとするならが、その行為は政治演出の域を超え、子どもの人格や身体の自己決定権を侵す人権侵害と捉えることもできる。全体主義体制の論理が、未成年の人生を先回りして縛っている点は、極めて重い問題である。
