北朝鮮で2025年12月31日から2026年1月1日にかけて、新春祝賀公演、いわばカウントダウンライブが行われた。金正恩・李雪主夫妻と娘のジュエ(主愛)氏が出席した。金正恩父娘は同じデザインのダブルのレザーコートを着用し、主賓席ではジュエ氏をセンターに据える配置で親子が座った。

最高指導者以外の人物、それも娘のジュエ氏がセンターの位置で公式イベントを観覧するのは北朝鮮史上初だが、観覧中、2人は始終、過度といえるスキンシップを交わし、その姿が何度も朝鮮中央テレビで放映された。

一方、同席していた李雪主夫人は、たまに笑みを浮かべつつも、無表情のまま拍手をする程度にとどまり、周辺の幹部も視線をそらしたり、いささか戸惑う様子が時折見られた。

金正恩ジュエ父娘の異様な振る舞いは、今回が初めてではない。

(参考記事:【写真】金正恩父娘“恋人のような密着シーン”に北朝鮮内部から「おぞましい」との違和感も

2025年12月のホテル竣工式でも、まるで恋人のように密着する場面が公開され、北朝鮮内部からも「おぞましい」「普通の父娘関係を超えている」との声が出ていると、韓国の独立系メディア「サンドタイムズ」は伝えていた。

金正恩親子は同日、金日成・金正日氏の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝し、今度は金ジュエ氏がセンターに配置された写真が公開された。北朝鮮の正統性を再確認する太陽宮殿で、ジュエ氏が初参拝にもかかわらずセンターに置かれたことは、彼女こそが後継者だという強いメッセージと読み取れる。

次世代指導者としての「金ジュエ」偶像化が始まった兆しが見える一方で、金正恩と金ジュエ父娘が公然と見せ続ける異様な振る舞いは、後継演出という合理性を超え、北朝鮮という体制そのものが抱える歪みと不安を、無自覚なまま映し出しているようにも見える。