北朝鮮の金正恩総書記の顔に、スキンタッグ(皮膚の小さな突起)とみられる変化が増えていると、韓国の独立系メディア「サンドタイムズ」が報じた。

最近公開された写真では、以前から目立っていた左頬のイボがより濃く確認できるほか、目元・顎・首筋・耳の周囲にも複数の突起が写っている。2015年以降の写真と比較すると、肌荒れは年々進行しているように見える。

対照的なのは父・金正日国防委員長との違いだ。金正日氏はボトックス注射や写真修整で外見を整えていたとされ、国家は最高指導者のイメージ管理に細心の注意を払ってきた。しかし金正恩氏にはその意識が薄く、自然体に近い写真が増えている。ときに娘・金ジュエ氏が主役のように映る写真の公開すら許容している点は、従来の北朝鮮の統治スタイルとは異質だ。

こうした“容貌の変化”に北朝鮮の内部でも困惑が広がっているとされ、「顔がデコボコになってしまうのでは」「なぜ治療しないのか」といった声もあるという。最高指導者の威厳は見た目の演出と密接に結びつけられてきたため、小さな変化でも民心に影響を及ぼしうる。

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さらに健康面への懸念もくすぶる。金正恩氏は2020年に心血管疾患でステント手術を受けた可能性が高く、最近も喫煙を続ける姿が頻繁に映し出される。禁煙法が存在しても、病院や児童施設であっても喫煙を控えない。体重増加や歩行時の重さも隠しきれず、健康状態の不透明さはむしろ増している。

北朝鮮で指導者の健康は国家の安定と直結する。外見の荒れは些細に見えても重要な観察材料となり得る。今回の皮膚の変化は、平壌内部の不安や権力構造の微妙な揺らぎを映すシグナルなのかもしれない。