ロシアの首都・モスクワ郊外の建設現場で、北朝鮮出身の労働者が労災事故に遭った。しかし、現場の責任者が適切な処置を取らなかったため、死亡した。
ロシアメディアMashのテレグラムチャンネルによると、事故が起きたのは先月26日午後10時ごろのことだ。モスクワ郊外のヒムキで、北朝鮮出身の労働者、リ・ヨンチョルさんが、足を踏み外して建物の3階から仰向けに転落した。
彼は、コンクリートが打設された建築現場の中庭に倒れており、転落直後は意識がなかったものの、まだ息があった。しかし現場責任者は、彼を車に乗せて現場から連れ去り、橋の下に置き去りにして、死に至らしめた。現地当局が捜査に乗り出している。
北朝鮮労働者の新規雇用は国連安全保障理事会の制裁決議で禁じられているが、労働力不足に悩むロシアは、外貨不足に悩む北朝鮮との利害が一致して、決議を無視して受け入れを行っている。
(参考記事:ロシアで北朝鮮人の大乱闘が多発…原因は「スパイ」)ロシアはもともと労災死亡事故の多い国だ。2021年の集計で、労働者10万人あたりの労災死亡事故発生件数は6件で、日本の1.4件、フランスの2.6件、韓国の4.3件、米国の5.2件より多い。
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Gazetta.ruによると、エカテリンブルクでは先月23日、46歳のタジキスタン人労働者が、マンション建設現場の11階から強風で吹き飛ばされる事故が起きた。また、7月2日にはクラスノヤルスクで、若い下請け労働者2人が、7階の高さからエレベーターシャフトに転落し、意識不明の重体となった。
さらに、6月9日は労働者2人がクレーンから転落し、4月3日にはモスクワで労働者がエレベーターシャフトから転落し、死亡した。2月5日は、サンクト・ペテルブルグのホテルで、エレベーターの修理作業中だった56歳の男性が、頭部をエレベーターのかごに挟まれ死亡する事件も起きた。