北朝鮮がついに外国人観光客の受け入れを再開する。
北京にある、主に欧米からの旅行客を扱う北朝鮮専門の旅行会社「高麗(コリョ)ツアーズ」は14日、自社のウェブサイトで、今年12月から外国人観光客の受け入れを再開することが、北朝鮮側から正式に確認されたと発表した。
北朝鮮は2020年1月22日、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、外国人観光客はもちろん自国民の帰国すら許さず、鎖国状態に入っていたが、昨年8月にようやく自国民の帰国を認めた。
外国人観光客については今年2月、ロシア人ツアーを皮切りに受け入れを再開したが、他の国籍者の受け入れは再開されないままだった。
(参考記事:「興味深い体験だった」コロナ後初、北朝鮮を訪れたロシア人観光客のホンネ)国際社会の制裁下にある北朝鮮にとって、観光業は制裁に違反せずに手堅く外貨稼ぎができる手段だ。コロナ前には中国人観光客が殺到、その数は1日に30万人に達し、一時は受け入れを制限するほどオーバーツーリズムの様相を呈していた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面(参考記事:実は近くて普通に行けるおすすめ北朝鮮ツアー・北朝鮮旅行)
北朝鮮は、外国人観光客に大いなる期待を抱いているようだ。金正恩総書記が今年8月、リゾートホテルが林立する元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区の建設事業を現地指導したのも、その現れだろう。
しかし、コロナを前後して世界はすっかり変わってしまった。中国経済は減速し、海外に出る人の数も大幅に減少した。決して安価とは言えないツアー料金を支払い、自由に行動できない北朝鮮を訪れる観光客がどれくらいいるだろうか。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面観光客は北朝鮮に多くの利益を与える一方で、面倒も持ち込む。金正恩氏が嫌う韓国などの外国の文化だ。当局は、従来通りに外国人観光客と北朝鮮国民との接触をできる限り少なくしようとするだろうが、それでも完全に防ぐことはできない。
(参考記事:金正恩の「トラウマ」が阻む、北朝鮮観光の本格再開)なお、日本政府は2017年4月から、制裁の一環として北朝鮮への渡航自粛を呼びかけている。