「麻薬に依存」北朝鮮製の漢方薬で被害続出

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一向に解消しない北朝鮮の医薬品不足。1990年代の「苦難の行軍」の頃に国営製薬工場が操業を停止したことから深刻化し、中国からの輸入に頼るようになった。

北朝鮮が2020年1月、新型コロナウイルスの国内流入を防ぐために、鎖国措置に踏み切り、一切の輸入ができなくなったことでより一層深刻なものとなり、医師が手作りした薬を使ったり、代用品として麻薬に依存したりする事態となった。

(参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」

国営メディアは、コロナに効果があるとして、根拠不明の民間療法を宣伝した。

(参考記事:塩水にアヘンを混ぜて注射…医薬品不足の北朝鮮で「死の民間療法」

鎖国が解かれた今でも、医薬品不足は解消していない。内閣保健省は地方の保健当局に、各地の高麗薬(漢方薬)工場で薬草を使って医薬品を製造するように指示を下した。しかし、政策も漢方薬そのものも問題だらけだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

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両江道(リャンガンド)の保健部門の関係者は、市や郡の保健部門のイルクン(幹部)、高麗薬工場幹部の会議が、両江道人民委員会(道庁)の会議室で開かれ、内閣保健省の指示について話し合ったと伝えた。同様の会議は全国的に行われた。

まずは、朝鮮労働党第8回大会の主要課題であった「住民健康管理体系を末端の診療所と病院に導入する」ための対策が話し合われ、昨年11月の全国保健部門科学技術成果展示会に出品された、基礎漢方薬を市や郡の漢方薬工場で製造せよとの指示が伝えられた。効能が立証された漢方薬を、今年上半期中に処方薬全体の半分まで高めよというものだ。

例を挙げると、風邪薬の「敗毒散」、胃薬の「健胃散」、下痢止めの「玄草」、アヘンエキスと竹の根、アルコールから作る咳止めの「サポソル」、おできの薬の「膏薬」、点滴液などだ。

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だが、両江道の医療従事者は、処方薬全体の半分を漢方薬にせよという内閣保健省の指示を「話にもならない」と一蹴した。

そもそも、地方の漢方薬工場の多くは操業が止まっており、薬草採取に当たる高麗薬管理所は、働き手の男性職員のほとんどが突撃隊(半強制の建設ボランティア)に動員され、端川(タンチョン)発電所や、平壌の住宅建設の現場で働かされており、採取をできる人がいない。今から薬草を植えたとしても、収穫するには数年かかり、畑を管理する人もいないという。