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「最近、清津(チョンジン)では、バンドが細く画面が長方形の国産の電子時計が非常に人気だ。中でも若者の間で大人気だ」

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた北朝鮮の最新トレンド。この「電子時計」とは、スマートウォッチのことを指す。

対外向けメディア「朝鮮の今日」は昨年8月、鯉明水(リミョンス)体育団が、脈拍、心電図、呼吸などをリアルタイムで監視、記録、分析できる「多機能遠隔測定器」を自主的に開発したと報じている。また、平壌化粧品工場を扱った今年7月18日の朝鮮中央テレビのニュースに、スマートウォッチを着用した研究員が登場している。

清津市内の市場では10元(約200円)から300元(約6030円)で様々な種類のスマートウォッチが販売されており、一番人気があるのは20元(約400円)から50元(約1000円)のものだ。これくらいなら「価格が相対的に安く、手が出ないほどではない」(情報筋)という。ちなみにコロナ前には300元以上するチタンや翡翠の時計が人気だったが、庶民にはとても手が出ないものだった。

新しい物好きでトレンドに敏感な北朝鮮の若者は、ファッションアイテムとしてスマートウォッチを買っていて、半袖を来ている夏の今だからこそ、自慢できると人気を集めている。

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(参考記事:北朝鮮の最新版「飢えてでも買うべきマストアイテム」

一方で、コロナ前には市場でよく売られていた女性用の腕時計は、最近ほとんど見かけなくなったという。「女性は自分よりも夫や子どもを優先すべき」との考え方が未だに残っているからというのが情報筋の説明だ。自分がおしゃれするよりも、夫や子どもにおしゃれであって欲しいと、値の張るものを買い与えるということだ。

スマートウォッチが流行する一方で、麦やトウモロコシの収穫期を迎えても、食べるものがなく飢えに苦しんでいる人が数多く存在する。金正恩政権の市場抑制策で、充分な収入が得られなくなり、山を切り開いて畑を耕して作物を栽培しようにも、都市部だけに山が遠くてそれも容易ではないからだ。また、様々な犯罪も横行していると伝えられている。

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日々の糧に困る人がいる一方で、スマートウォッチが流行する北朝鮮。階層の両極化が進んでいる現れだろう。

(参考記事:経済難の北朝鮮で激増する「不動産詐欺」