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北朝鮮の金正恩総書記の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は10日と11日に相次いで談話を出し、米軍の偵察機が領空侵犯を行っていると非難しながら、警告に従わなければ「衝撃的な事件」が発生し得るとして、撃墜を示唆した。朝鮮中央通信が伝えた。

金与正氏は一連の談話で、米軍の戦略偵察機が10日、「5時15分から13時10分まで江原道通川の東435キロから慶尚北道蔚珍の東南276キロまでの海上の上空で朝鮮東海のわが方の経済水域の上空を8回にわたって無断侵犯し、空中偵察行為を強行した」と主張。また、「わが空軍のスクランブルによって退却した米空軍偵察機は、8時50分ごろ江原道高城の東400キロの海上上空でわが方の海上軍事境界線の上空をまたもや侵犯して空中偵察を働く重大な軍事的挑発をしかけた」とも述べた。

さらに、「米国の偵察機が我が軍の海上軍事境界線を越えて侵犯したりするわれわれの経済水域の上空、その問題の20~40キロ区間では必ず、衝撃的な事件が発生することになるであろう」とし、撃墜もあり得ることを示唆した。加えて、「再び海上軍事境界線を越えてわが方の経済水域を侵犯するときには、明確で、かつ断固たる行動で対応するということを委任によって繰り返し警告する」と強調した。

同氏の言う「問題の20~40キロ区間」とは、2018年の南北軍事合意で南北軍事境界線から西部地域は20キロ、東部地域は40キロ以内の上空で偵察機や戦闘機の飛行を禁じたことを念頭に置いたものとの見方が出ている。

一方、韓国軍合同参謀本部は、米軍機の領空侵犯は事実でないと否定している。