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新型コロナウイルスの世界的大流行が始まった2020年、北朝鮮は、陸海空での越境をすべて禁止する方針を取り、漁船の出漁を禁止した。海水を通じてコロナが持ち込まれると考えたのか、あるいは、海上での密輸で外国人と接触することで感染しうると考えたようだ。

他の食糧も輸入されなくなり、北朝鮮国内は著しいモノ不足、食糧不足に陥り、一部では餓死者を出す事態となった。しかし、漁業禁止に関しては、金正恩総書記が「非常防疫戦」での勝利宣言を行った昨年8月から、全面的に解除された。

(参考記事:コロナ禁漁に縛られていた北朝鮮漁船、制限緩和で再び日本海へ

それにより豊漁が続いているが、平安北道(ピョンアンブクト)安全局(県警本部)は、魚介類の取引に対して大々的な取り締まりに乗り出した。その理由について、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

コロナ前には、中国やロシアから持ち込まれた様々な製品を満載したトラックが、国境沿いの地域と他の地方を行き来していたが、コロナによる移動制限で一時は絶えていた。それが最近になって少しずつ復活しつつある。市場の前にはトラックの長い列ができるほどだという。

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情報筋の語った取り締まりの理由は、次のようなものだ。

「平安北道安全局は、水産品の卸売りのためのトラックが定州(チョンジュ)と鉄山(チョルサン)市場周辺を回って、冷凍水産食品、乾燥水産食品、塩辛など様々な品目を積んでおり、他地域に流出させていると見ている」

黄海に面している定州や鉄山の市場は、魚介類の値段が安いことで知られている。業者は、そこで仕入れたものを大消費地の首都・平壌や流通の拠点である平城(ピョンソン)に運んで売っているわけだが、これが問題だというのだ。ただ、どのような法律に違反しているのかはわからない。

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安全局は水産事務所にやってきて、漁に出る漁船を監視し、また、魚介類が商人に横流しことがないよう監視しているという。

水産事業所では、国家計画(ノルマ)に従って操業を行い、漁獲を国に納めることになっているが、余剰分を販売することが許されていた。安全局は、食糧が流出しないようにそれを取り締まっているのか、単に金儲けのための横流しを取り締まっているのかどちらかだろう。摘発された水産事業所は、罰金刑に処された。

また、業者の家の電気を遮断し、買い付けた魚介類が冷凍できないように妨害する徹底ぶりだ。業者は漁獲を冷凍できなくなり、足の早い魚を安値で地元住民に売り払ったが、彼らは安全局に呼び出されたり、商品を没収されたりしている。

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さらには、彼らに電気を供給した送配電部の職員も追及されている。理由について情報筋は触れていないが、業者が送配電部にワイロを掴ませ、工場向けの電気を横流しするのが広く行われている。

(参考記事:金正恩氏から「感謝状」を受けた幹部、電気の横流しで逮捕