秋の収穫が終盤に差し掛かった北朝鮮。国営の朝鮮中央通信は先月20日から22日にかけて、平安北道(ピョンアンブクト)、開城(ケソン)、黄海北道(ファンヘブクト)で稲の収穫が終わったと報じた。
しかし、収穫が終わったからとすべての作業が終わったわけではない。稲束の運搬、脱穀など様々な作業が残っている。しかし、食糧難の中での重労働に耐えかねて倒れる農民が続出しているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸州(ハムジュ)の情報筋は、郡内のすべての農場での収穫が終わったと伝えた。
当局は稲束を田んぼに放置すれば、無駄になる米粒が増えるとして、今月中旬までに脱穀場に運ぶように指示を下した。農場は農民を稲束を運ぶグループと、脱穀するグループに分けて作業を進めている。
稲束の運搬は午前5時から夜遅くまで、脱穀は24時間体制で行われる。おりからの食糧難でまともに食事を取れていない上に、休まずに1日12時間以上の労働に追いやられ、倒れてしまう農民が少なくないという。郡の中心から近い上中里(サンジュンリ)と新京里(シンギョンリ)の農場では、1日でそれぞれ2人と3人の農民が仕事中に倒れた。いずれも女性だった。
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それでも休むことは許されず、少し休んで調子がよくなれば、また再び現場に投入される。7キロから10キロもある稲束をトラクターや牛車に積み込む作業は、女性にとって非常に辛い作業だ。
男性は主に、農村住宅建設や脱穀場に動員されている。春から田植え戦闘、草取り戦闘、収穫戦闘と次々に強いられるきつい労働に、倒れないほうがむしろおかしいと、情報筋は述べた。
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咸鏡北道(ハムギョンブクト)穏城(オンソン)の情報筋は、郡民全員がトウモロコシの収穫に動員されていると伝えた。郡の幹部は「農作業がすべて終わるまでは倒れる権利などない」として、各農場に脱穀を指示し、農民は昼夜を分かたず脱穀作業に追い立てられている。
工場、企業所、機関に勤める人は、9時から18時まで働けばいいが、農民は5時から20時までの15時間もの作業を強いられる。帰宅しても作業はなお続く。毎日50キロのトウモロコシを持ち帰り、家族総出で脱穀を行い、翌朝に提出するのだ。トウモロコシの脱穀は稲と比べて非常に手間がかかる作業だ。
こんなに働かされても、得られる分配は少ない。
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終わりの見えない貧困から抜け出すために、あらゆる手を尽くして農村から逃げ出し、儲かる仕事のある都会へと向かう人が少なくない。そのため、農村は労働力不足に陥り、その穴埋めのために当局は、農民を連れ戻したり、都会の若者を送り込んだりするが、逃げられてしまう。そんな悪循環が繰り返されている。
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