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北朝鮮のライフラインの一つとも言える、中国とを結ぶ貨物列車の運行が再開されたのは先月16日のこと。当初は10両編成を超えいずれの車両にも貨物が満載されていたが、その後7〜8両に減り、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が先月23日に伝えたところによると、その時点で4両まで減り、うち2両は何も積んでいない状態だったという。

車両が減った理由としてまず考えられるのは、貿易の玄関口の新義州(シニジュ)郊外の義州(ウィジュ)飛行場にできた国家西部物流総合処理場(貨物消毒場)の処理能力が限界に達したということだ。これを受けてか、新義州の南隣の塩州(ヨムジュ)にも新たな消毒場の建設が行われることになった。

輸入される貨物が減少した理由はそれだけではないようだ。

(参考記事:北朝鮮、輸入品を消毒する大規模防疫施設を増設へ

デイリーNKの別の情報筋によると、北朝鮮の貿易会社は、国から許可を受けた物品を貨物列車に積んで輸入していたが、事前契約とは異なり、当局が輸入品の40%を税金として徴収し、税関も8〜15%を徴収している。つまり、輸入量の半分前後が税金として取られてしまうということだ。

30%のはずだった税金が勝手に増やされたことについて、一部の貿易関係者は「裏切られた」と当局のやり方を非難している。

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「国が必要だという物品をようやく入手して輸入したのに、その半分を国に納めろと言われ、貿易会社は苦労している」(貿易関係者)

また、列車を使った輸入をやめた貿易会社も出ている。その結果が、スカスカの貨物列車として現れたのだ。税金として徴収されたものは、小麦粉、大豆油、医薬品、建築資材など多岐に渡る。

あまりにも高い税率は、北朝鮮の物価を押し上げる可能性も指摘されている。貿易会社は、自らが処分できる物品に高い税金を転嫁して、高値で市場に卸すためで、損失を出さないためには致し方ない措置だろう。

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(参考記事:「やっぱり我が国は中国がいないとダメ」北朝鮮国民が金正恩に見切り

一方で注目を集めているのは、首都・平壌郊外の南浦(ナムポ)港を通じた貿易だ。今後の見通しは不透明ながら、今の時点では、貨物列車ほどの税金は徴収されていないからだ。