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北朝鮮の市場には、国内で流通するありとあらゆるものが集まる。野菜や穀物、最新ファッションの衣類はもちろん、電化製品の売買も行われている。ところが、外国製と国内の個人業者が製作した一部電化製品について、当局は販売禁止令を下した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

当局が販売禁止にしたのは、充電器、バッテリー、変圧器、ソーラーパネル。その理由は、電力事情だ。

「国の電力事情が悪いのは、個人が外国製電化製品と、勝手に容量を上げて作った電化製品を使用するためだとして、取り締まりが指示された」(情報筋)

北朝鮮は長年にわたって深刻な電力不足に悩まされている。降雨量の少ない気候を考慮せず、水力発電に偏重したエネルギー政策、電力インフラそのもの脆弱性など様々な原因が挙げられる。一部の人が電力消費の大きい電化製品を使うだけでも電力供給全体に影響を及ぼすほどで、そういう人ほど工場や軍の配電担当者にワイロを掴ませて、電気を横流ししてもらう傾向にある。

(参考記事:常に電力がひっ迫する北朝鮮、解決方法はワイロで電気横流し

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情報筋は、清津(チョンジン)市人民委員会(市役所)の商業部と検察所が、市内のすべての市場をまわり、すべての電化製品売り場から外国製や個人制作の商品を回収していると伝えた。

また、それらの販売を禁止する、省エネ性能の高い国産品が販売されるまで待てというお触れの紙を貼って回ったとも伝えた。これら製品は北朝鮮の電力監督規定に合致しておらず、電力に大きな損失を与えており、省エネ経済構造を作ろうとする朝鮮労働党の方針をダメにする、というのがその論拠だ。

ただ、国産品がいつ流通するかは全くわからない。そもそも、北朝鮮で使われている充電器、バッテリー、変圧器、ソーラーパネルはほとんどが中国製、または個人業者が製作したものだ。商人たちは、経済的に苦しい中で急に販売禁止令を下されて泣くに泣けない状況だとのことだ。

(参考記事:北朝鮮が国民に「ソーラーパネル」を猛プッシュする理由