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昨年5月、北朝鮮の国会に当たる最高人民会議の14期第3回会議で採択された再資源化法。先月開かれた最高人民会議14期第5回会議では、この法律の執行検閲監督状況が討議された。以下、朝鮮中央通信の記事から一部抜粋する。

報告と討論を通じて最高人民会議第14期第3回会議で朝鮮民主主義人民共和国再資源化法が採択された以降、人民経済の各部門で収められた成果と経験、現れた欠陥と教訓が全面的に分析、総括された。

報告者と各討論者は、社会主義強国建設のための闘いは全ての部門、全ての単位で原料、資材、設備の国産化と共に再資源化を経済発展の重要な原動力としてとらえていくことを切実に求めていると述べ、国家再資源化目標を実行するための革新的かつ実践的な方途について言及した。

(参考記事:最高人民会議第14期第5回会議、北朝鮮で開催

慢性的なモノ不足に苦しめられている北朝鮮では、以前から徹底したリサイクルが行われていた。それをさらに進めようという今回の法律だが、目に見える結果を達成するよりも、法の執行そのものが目的化しているようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、この法律に関連して逮捕者まで出ている状況を伝えている。

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逮捕されたのは、清津市糧政事業所の朝鮮労働党委員会の書記、支配人、統計担当者ら数人だ。再資源化を徹底するという党の方針をまともに遂行できなかったとして、今月12日、咸鏡北道検察所に連行された。

道党(朝鮮労働党咸鏡北道委員会)は、資材が不足する中、些細なものであっても捨てずに専門家の検収を受けてリサイクルすべきとの方針を下していたが、糧政事業所は廃棄物の検収を行わず、使えるものまで捨ててしまったというのだ。

これに対して逮捕された人々は、廃棄物とは生産過程で生じるもので、糧政事業所には廃棄物そのものが存在しないとして、逮捕は不当なものだと訴えている。

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例えば、コメを入れる叺(かます)や麻袋は、コメを輸送してきた農場側が回収し、精米の過程で発生する籾殻も、食料品工場に渡している。さらに、残った籾殻は越冬用の燃料として使うよう言い渡され、石炭や電気の配給を停められたので、もはやリサイクルすべきものは何一つ残っていないというのだ。

なぜこんなひどいことが起きているのか。情報筋は、彼らが見せしめにされたと説明する。

「党の再資源化の方針貫徹に関する道別の総和(総括)で、咸鏡北道は何とか最下位を免れたが、道党は恥をかかされたとして、道内の再資源化問題を取り上げ、企業所を叩いている。その過程で、清津市糧政事業所が再資源化の方針貫徹に助けにならなかったことを問題視して、見せしめとしてイルクン(幹部)を道検察所に引き渡した」

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つまり、リサイクルできなかったことが問題なのではなく、リサイクルすべきものがもはや存在せず、実績が挙げられなかったことが問題なのだという、本末転倒で無茶苦茶な理屈だ。検察所は、そんな事情を一切考慮せず、今回の件以外の些細な問題まであげつらい、家族との面会も許可していない。逮捕された彼らには、労働教化刑(懲役刑)3年の判決が言い渡されると噂されている。

同じ清津市にある火葬場は、清津再生繊維工場、清津ペンキ工場、清津家具工場とコラボして、亡くなった人の遺体から死装束を剥ぎ取って服を作り、棺桶で家具を作ったことで、党から国家経済発展5カ年計画の優秀事業所に選ばれた。

(参考記事:金正恩命令「火葬場でリサイクル」の実態に北朝鮮国民が驚愕

ナチスを彷彿とさせる行為を行ってようやく評価されるのが、北朝鮮のリサイクルの実態だ。