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北朝鮮当局は、1400キロに及ぶ中国との国境線に、コンクリート壁と高圧電流の流れる電線を設置する計画を立て、今年3月から一部地域で工事を始めた。

国境沿いの一部には監視塔やフェンスがあったものの、残りの警備は国境警備隊に任されていた。ところが、地元住民とのしがらみから、当局が防ぎたい脱北や密輸に逆に手を貸す始末。国境警備強化のために別の部隊を送り込むも、思惑通りに行かず、結局は人ではなく施設に頼ることにしたというわけだ。

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工事は遅々として進んでいないもようだが、当局は10月10日の朝鮮労働党創建日までにすべての工事を終えられるよう、工事に地元住民を総動員していると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

朝鮮労働党は今月4日、内閣、国防省、国家保衛省(秘密警察)との共同名義で、両江道、慈江道(チャガンド)、平安北道(ピョンアンブクト)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の国境に接する地域に対して指示文を下した。その内容とは、政権機関、企業所、保衛・司法機関、軍隊、人民班(町内会)を総動員して、コンクリート壁と高圧電線の第1段階の工事に投入せよというもの。

元々は1400キロ全区間で完成させるつもりだったようだが、さすがに間に合わないことを悟ったのだろう。実際の距離は不明ながら、第1段階を今月10日までに完成させれれればよいということになったようだ。一方、残りの第2段階の完成は年末までに延期となった。

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情報筋によると、第1段階の現場では既に1メートルの壁が築かれているが、地域の人員を総動員して、残りの1メートルを築き上げ、電柱と電線まで設置するというのが、今回の計画だ。ちなみに工事そのものは簡単なものらしい。

指示に基づき、地元の機関、企業所、人民班などは自主的に輸送手段を確保し、人員を現場に動員、午前7時から午後5時まで作業に当たらせているとのことだ。

さて、どうにかして完成にはこぎつけられても、問題はそれだけで解決しない。高圧電線に流す電気の確保だ。各道は、これに使用する変圧器を計画の6割ほど確保し、残りは11月末までに無条件で確保するよう指示されている状態。

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流す電気そのものも、国から24時間供給されるという話だったはずだが、いつのまにか、「各道が自主調達せよ」と話が変わってしまった。長年に及ぶ深刻な電力不足に悩む北朝鮮だが、現在でも一般家庭はもちろんのこと、工場や企業所への電気の供給も不安定な状態だ。情報筋は、国境沿いの4つの道が高圧電線用の電気を24時間供給するのは不可能だろうと見ている。

コンクリート壁が完成しても、電線に電気が供給されるか不透明なため、国境警備強化のために派遣され、完成とともに完全撤収する予定だった朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の特殊戦部隊、通称「暴風軍団」と第7軍団の先行きも不透明になっている。

実際、第7軍団は駐屯が長期化すると見込み、先月30日に人員を入れ替える作業を行い、暴風軍団も同様の措置を取る方針だ。

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彼らの生活実態は悲惨なもので、木の柱にビニールシートをかぶせただけの、ビニールハウスのような兵舎で寝起きしている。食糧がまともに配給されず、栄養失調や皮膚病に悩まされる者も少なくないという。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

地域住民は、そんなみすぼらしい彼らの姿を見て、コチェビ(ストリート・チルドレン、ホームレス)と変わらないという意味合いを込めて「軍隊コチェビ」と呼んでいるという。

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